【台湾】景気楽観は46%に下落、米国商会調査[経済](2019/01/24)
米国の在台湾工商団体、台北市美国商会(AmCham、米国商会)は23日、会員企業を対象とした台湾のビジネス景況に関する調査「2019年商業景気調査(ビジネス・クライメット・サーベイ)」を発表した。これによると向こう1年の台湾経済の先行きを楽観する米国企業は45.8%で、前年(55.5%)から9.7ポイント下落した。
調査結果は11年から毎年公表しており、今年の調査は18年11月12日から12月21日にかけて、台湾でビジネス展開する米国を中心とした会員企業の代表にアンケート形式で実施。179社から回答を得た。
米国商会のレオ・シーウォールド会長は、「景況感が下落したのは、米中貿易摩擦や中国の台湾に対するさまざまな圧力、ネットセキュリティーを脅かすハッカーの出現などが要因」と説明。さらに、台湾は大胆なイノベーションを目指し、改革を進めながら、より大きな海外投資を呼び込み、高付加価値の就業機会を生み出すべきと提言した。
調査では、今後3年間の台湾経済の見通しを「楽観的」「やや楽観」と答えた会員企業の割合は53.6%で、前年から3.3ポイント上昇。約8割の企業幹部が、今後3年の企業の発展に自信を見せた。
■電力供給は87%が懸念
労務についての調査では、89%が「来年従業員を増やす」「現状を維持する」と回答。また、59.2%の企業が従業員の人数と能力に満足していることが分かった。
シーウォールド会長は、「人材は台湾の最も重要な資産の一つ」と強調。「いかに若者を引き込み、企業での成長機会を与えられるかどうかが、企業の発展にとって重要」と指摘した。さらに台湾は生活し仕事をするのに最適な場所だとし、個人の安全と社会の安定が確保できる点が優位性でもあると評価した。
このほか、全体の87.0%が電力供給について「懸念している」と答え、63.0%が「政府の『脱原発』目標が台湾での発展計画に影響を及ぼす」と回答した。また「政府高官の商業活動への重視度」では、59.0%が不満をもっていると答えた。