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【台湾】TSMCの12月売上高、前年同月比0.1%減[IT](2019/01/11)

ファウンドリー(半導体の受託製造)台湾大手3社の2018年12月の連結売上高が出そろった。世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の12月の連結売上高は898億3,100万台湾元(約3,148億6,700万円)で、前年同月比0.1%、前月比でも8.7%減少し、単月としては5カ月来の最低だった。10日付中央通信社によると、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向け7ナノプロセスでのプロセッサーの出荷がピークを過ぎたことに加え、顧客が年末に向けて棚卸し作業を進めたことが減収に影響した。

TSMCの18年の累計売上高は前年比1兆315億元で、1兆元の大台を超えて過去最高となった。ただ前年比での伸び幅は5.5%にとどまり、目標としていた米ドル換算で6%増の水準には満たなかった。

証券筋はTSMCの今後の見通しについて、「19年第1四半期(1~3月)のアップルからの受注量が減少する恐れがある。米半導体大手エヌビディアの画像演算処理装置(GPU)の受注も鈍化し、前期比1割減に落ち込む可能性もある」と予測している。

■聯華電子は単月最低

台湾2位の聯華電子(UMC)の12月の連結売上高は前年同月比6.7%増の113億8,500万元。アップル以外のスマホ出荷量が伸び悩んだことに加え、新興国通貨安も影響し、前月比1.5%減少し単月としては1年来の過去最低となった。

一方、18年の累計売上高は前年比1.3%増の1,512億5,300万元で、過去最高を更新した。

TSMC傘下で8インチウエハー対応ファブ(工場)専業の世界先進積体電路(バンガード)の12月の連結売上高は前年同月比16.8%、前月比0.4%それぞれ増え、25億9,500万元となった。

18年の累計では前年比16.1%増の289億2,800万元で、過去最高を記録した。

証券筋は2社の第1四半期の見通しについて、「引き続き不需要期の影響を受けるほか、米中貿易摩擦などの不確定要素も重なり、ウエハー工場の稼働率は高水準を維持するものの、需要は伸び悩むだろう。大口顧客の発注も保守的な傾向が続く」と予測している。

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