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【ベトナム】ヒノキヤ、ハイフォンにPCパネル工場開設[建設](2018/11/28)

注文住宅や断熱材事業などを手掛けるヒノキヤグループ(東京都千代田区)は27日、北部ハイフォン市にプレキャストコンクリート(PC)パネルの工場を開設した。PCパネルの普及が進んでいないベトナムで市場を開拓する。

記念品を交換するヒノキヤグループの近藤社長(左)とCJSCのグエン・フー・ティン社長=27日、ハイフォン市

記念品を交換するヒノキヤグループの近藤社長(左)とCJSCのグエン・フー・ティン社長=27日、ハイフォン市

工場は、ヒノキヤグループの子会社レスコハウス(東京都文京区)とベトナムの建設会社コンストラクション・アプリケーション・アンド・トランスファー・オブ・テクノロジーズ(CJSC)が8月に設立した合弁会社ヒノキヤ・レスコ・コンストラクション・ベトナム(HRCベトナム)が操業する。CJSCがナムカウキエン(南キエン橋)工業団地に保有していた工場に入居する形で開設した。HRCベトナムの出資比率はレスコハウスが60%、CJSCが40%。

外壁やフェンス(塀)として使用するPCパネルの製造から始め、2019年度は7,000トン程度の製造を見込む。その後、住宅用PCパネルやPC土木部材の製造も開始し、3年後をめどに初年度の2~3倍の製造を目指す。HRCベトナムの従業員数は現在、製造と管理部門を合わせて15人で、生産拡大に伴い増員する計画という。

ヒノキヤグループの近藤昭社長はNNAに対し、「日系、その他外資、地場を問わず、全量をベトナム国内で販売する」と説明。「ベトナムでPCを普及させることが最優先」とし、ベトナムからの輸出や他国でのPCパネル製造は現時点で考えていないと述べた。

PCは強度や耐火・耐久性に優れており、工場で製造されることから天候に左右されることがなく、建設現場での作業削減、工期短縮、建設人員の削減、作業の省労務化、現場作業の削減により建設建材を少なくすることで省資源化が実現できることなどが特徴だ。労働力が安いベトナムでは現在、手作業によるレンガ積み建設が一般的だが、今後PCの需要拡大が見込まれる。

ヒノキヤグループ海外事業推進課の木原高志氏は、PCの普及により、ベトナムが抱える「建設工期の長期化」「人件費の上昇」「環境問題」といった社会問題の解決に貢献できると説明。また、ベトナムは今後、量より質を重視するようになると見込まれていることから、高品質のPCの需要も拡大していくとの見通しを示した。

■住宅用PCパネルで先手

HRCベトナムのPCパネル工場内=27日、ハイフォン市

HRCベトナムのPCパネル工場内=27日、ハイフォン市

木原氏は、「ベトナムにはシンガポールなど外資系企業を含めPC土木部材を扱っている企業はあるが、住宅用のPCパネルを扱っている企業はまだ少ない」と説明。住宅用PCパネル市場で先手を打つ構えを示した。

ヒノキヤグループは今年、創業30周年を迎え、東証一部に上場した。注文住宅や断熱材のほか、リフォーム、不動産賃貸、介護・保育事業なども手掛ける。売上高、中核事業とする住宅の販売棟数ともに右肩上がりに伸びている。17年12月期の売上高は前年比12.7%増の約1,050億円。住宅の販売棟数は3,195棟で、「18年は3,600棟を目指している」(近藤社長)。

ヒノキヤグループは15年、同社にとって初の海外子会社となるヒノキヤベトナムをハノイに設立。注文住宅の顧客向け資料の作成などを手掛けている。また、今年6月には、建設や病院・幼稚園運営などへの投資を手掛ける地場テクニカル・ワールド・グループ(TWG)と戦略的パートナーシップを締結し、ベトナムで住宅開発に乗り出すと発表した。

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