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【台湾】陽明海運、米中貿易摩擦も「貨物需要縮小せず」[運輸](2018/07/12)

海運台湾大手、陽明海運(ヤンミン・マリン)の林文博総経理は10日、米中貿易摩擦の激化に伴う業界への影響が懸念される中、「貨物の流れが変わる可能性はあるが、貨物の需要が縮小することはない」との見方を示した。11日付経済日報が伝えた。

海運業界では現在、米中貿易摩擦による打撃を懸念し、運航本数を減らす動きが出ている。商船三井、川崎汽船、日本郵船、ドイツのハパックロイド、台湾の陽明海運(ヤンミン・マリン)の5社が結成した「ザ・アライアンス」は今月末、太平洋をまたぐ航路1本を欠航する予定。マースクなど3社による「2M」も同様の措置を取り、供給を制限することで需要期の輸送費下落を防ぐ。

ただ、林総経理は「海運業者は米中貿易摩擦による貨物需要の縮小を最も懸念しているが、現時点で影響は出ていない」と指摘。さらに「米国の対中追加関税はハイテク製品が中心で、これらの製品は主に空輸されるため海運需要への影響は限定的。米中間の貿易が減少しても需要が縮小しなければ、米中ともに他国・地域との貿易に振り分けるだろう」と分析した。

林総経理によると、コンテナ輸送景気は2016年に谷底だったが17年は復調し、大手各社は黒字決算となった。ただ18年は供給過剰と原油価格の高騰、米中貿易摩擦の3点が主な不安材料となっており、下半期(7~12月)の市況については注視する必要があるとした。

■影響は大きいとの見方も

一方、中華民国船務代理商業同業公会全国聯合会(全国船代会)の劉佑民理事長は「米中貿易摩擦の影響は大きく、広範囲に及ぶ。長期化すれば台湾経済への打撃は必至で、冷え込んでいる中台関係にさらなる悪影響を与えかねない」との見方を示している。

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