企業が“留職”を体験させる理由。リーダーに必要な5つのスキル
日本の企業が本業を生かして新興国のNPOと課題を解決していくプログラムを展開するNPO法人クロスフィールズを創業した代表理事・小沼大地さんに、文化放送『The News Masters TOKYO』のパーソナリティ・タケ小山がインタビュー。
(前編:『仕事』ではなく『志事』。新興国で“留職”すれば一皮向けた人材に)
リーダーシップについて
タケ:
小沼さんが考えるリーダーシップとは何でしょう?
小沼:
クロスフィールズとしてのリーダーの定義、つまり『どういう力が留職プログラムで身につくか』について紹介します。
その力とは、「ゴールを描く力」・「対話をする力」・「巻き込む力」・「挑戦する力」・「やりきる力」の5つの力のことである。
小沼:
例えば、巻き込む力とは、組織における権威や肩書に頼らずに、目の前の人や遠くの人を自分が進めたい方向性に向かって自然と巻き込んでいくことができる力と定義しています。
日本で、何かを組織でやろうとすると「俺は部長だ」と肩書を盾にしており、いわば下駄をはいた状態。
しかし、名刺をはく奪され、海外の奥地の村に行き、何者かもわからない状態で、人を巻き込めるか、ここでのスキルがリーダーに必要なスキルなのだと小沼さんは信じている。
タケ:
リーダーシップは、どうやって育てるのがいいですか?
小沼:
世の中で、リーダーに必要なものはこの5つのスキルの他に、想いや情熱が必要です。
先に、想いや情熱など、『軸』をしっかり形作ってから、スキルを育てていく、こういうアプローチをすると特に若い世代は、飛躍的に生産性が上がるのではないでしょうか。
例えば、日立製作所では「組織を変革するリーダーを作りたい!」という想いで、留職を体験してもらっている。
留職でラオスでの現地リーダーに感化されたエンジニアは、「このパラメーターが0.01おかしいんじゃないか?」と今まで言っていたのが、「この仕事は誰のために役立っているのか?ユーザーはどう喜ぶのか?」とユーザーオリエンテッド、社会にどういう価値を出すのかということで、チームを引っ張るようになったそうだ。
これからの社会
タケ:
今後の社会、どう変わっていくのが良いと思いますか?
小沼:
具体的には分かりませんが、大きなパラダイムチェンジがあるといえます。そこで、新しい価値を提示できる人が必要になり、企業の中でもそういったことを発信していく企業が必要になると思ってます。
例えば、ミレニアル世代が、お金に興味がなく、違うところに価値を見出しています。これは我々世代がもがいていることの証であって、今までの価値観では幸せになれないと思っているからなんです。
タケ:
今やっていることが、これからの日本の新しい価値の在り方ということですか?
小沼:
その自負でやっています。自分たちは未来を切り拓いていると思っていますし、新しい常識や価値観を生み出す原動力になりうるとも思っています。
新しいうねりが絶対に来るので、そこで留職を使ってもらいたいと思っています。
日本は、アメリカや中国に比べて、時価総額ランキングがあまり入れ替わらない。すなわち既存の組織には、「社会性があって素晴らしい」とも言える。
小沼:
既存の組織が残りながら変革していく道がいいのではという仮説を持っています。さらにこれからは一人がリーダーシップを発揮するよりは、創発的にリーダーシップが発揮されている社会の方が日本には合っているのではとも考えています。
起業家のように自立した人間が、どれだけ組織の中にいるか、これが負けないために重要なのではないでしょうか。
あなたは今、社会人になりたての頃の情熱を持ち続けていますか?
そして今、行っている仕事は、社会に対してどのような繋がりがあるか考えていますか?
仕事に情熱を注げなくなっている場合、『想い』を軸に今一度仕事を見直してみてはいかがでしょうか?
文化放送『The News Masters TOKYO』のタケ小山がインタビュアーとなり、社長・経営者・リーダー・マネージャー・監督など、いわゆる「リーダー」や「キーマン」を紹介するマスターズインタビュー。音声で聞くには podcastで。
The News Masters TOKYO Podcast
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文化放送「The News Masters TOKYO」http://www.joqr.co.jp/nmt/ (月~金 AM7:00~9:00生放送)
こちらから聴けます!→http://radiko.jp/#QRR
パーソナリティ:タケ小山 アシスタント:小尾渚沙(文化放送アナウンサー)
「マスターズインタビュー」コーナー(月~金 8:40頃~)