株式等の譲渡損失(赤字)の取扱い
[平成31年4月1日現在法令等]
1 株式等の譲渡による所得以外の所得からの控除等(損益通算)
- (1) 株式等の譲渡損失(赤字)の金額と他の所得の黒字の金額との通算不可
(1)上場株式等に係る譲渡所得等の赤字の金額は、他の上場株式等に係る譲渡所得等の黒字の金額から控除し、(2)一般株式等に係る譲渡所得等の赤字の金額は、他の一般株式等に係る譲渡所得等の黒字の金額から控除しますが、その控除をしてもなお控除しきれない赤字の金額は、(4)の場合を除き、給与所得など他の各種所得の金額から差し引くことはできません。 - (2) 他の各種所得の損失(赤字)の金額と株式等の譲渡所得等の黒字の金額との通算不可
不動産所得など他の各種所得の損失(赤字)の金額を、上場株式等に係る譲渡所得等又は一般株式等に係る譲渡所得等の黒字の金額から控除することはできません。 - (3) 上場株式等に係る譲渡所得等と一般株式等に係る譲渡所得等との通算不可
(1)上場株式等に係る譲渡所得等の赤字の金額を一般株式等に係る譲渡所得等の黒字の金額から控除すること及び(2)一般株式等に係る譲渡所得等の赤字の金額を上場株式等に係る譲渡所得等の黒字の金額から控除することはできません。 - (4) 上場株式等に係る譲渡損失(赤字)の金額と上場株式等に係る配当所得等の金額との損益通算
上場株式等を金融商品取引業者等を通じて譲渡したことにより生じた譲渡損失(赤字)の金額は、確定申告により、その年分の上場株式等に係る配当所得等の金額(上場株式等の配当等に係る配当所得については、申告分離課税を選択したものに限ります。以下同じです。)と損益通算することができます。
上場株式等の配当等に係る配当所得についての申告分離課税の選択及び上場株式等の譲渡損失と上場株式等に係る配当所得等との損益通算は、確定申告書にその旨を記載するとともに、一定の明細書等を添付することにより行います。
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2 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
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上場株式等の譲渡損失の金額については、一定の要件を満たす場合に限りその譲渡損失の金額が生じた年の翌年以後3年間にわたって上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得等の金額から繰越控除できます。(一般株式等に係る譲渡所得等の金額から繰越控除することはできません。)
この控除をするには、上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税について一定の書類を添付した確定申告書を提出するとともに、その後の年において、連続して一定の書類を添付した確定申告書を提出する必要があります。
3 特定中小会社の発行株式に係る譲渡損失の繰越控除
一般株式等に係る譲渡損失の金額のうちに、特定中小会社の発行した株式で払込みにより取得したもの(税制適格ストックオプションの行使により取得したものを除きます。)を適用期間内に譲渡(親族等への譲渡等は除きます。)したことにより生じた一定の損失の金額がある場合には、その損失の金額については、一定の要件を満たす場合に限り、その年分の上場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除することができ、その年分の上場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除しきれないときは、その損失の生じた年の翌年以後3年間にわたって一般株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る譲渡所得等の金額から繰越控除できます。
この控除をするには、確定申告書にその旨記載するとともに、一定の明細書等の添付が必要です。
- 1 特定中小会社とは、いわゆるエンジェル税制の対象となる株式を発行する会社のことで、一定の要件を満たす特定中小会社に該当することについて都道府県知事の確認書等の交付を受けている株式会社をいいます。
- 2 適用期間とは、その特定中小会社の設立の日からその特定中小会社の発行した株式が上場等された日の前日までの期間をいいます。
(措法8の4、37の10、37の11、37の12の2、37の13の2)
出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1465.htm)