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特定従事者がストック・オプション税制の適用を受けて取得した株式を保有したまま国外転出する場合

[令和元年7月16日現在法令等]

1 制度のあらまし

 いわゆるストック・オプション税制(租税特別措置法第29条の2第1項)の適用を受けた特定従事者が国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなることをいいます。)をする場合において、その国外転出の時に有する次の(1)及び(2)のいずれにも該当する特定株式については、その国外転出の時に権利行使時価額による譲渡があったものとみなされ、一般株式等に係る譲渡所得等又は上場株式等に係る譲渡所得等として課税されます。
 この場合、特定株式の取得価額(売上原価の額又は取得費の額)は、払込価額(権利行使価額)になります。

  1. (1) 国外転出時価額(国外転出の時における価額に相当する金額として一定の金額をいいます。)がその国外転出の時に譲渡があったものとした場合における権利行使価額(売上原価の額又は取得費の額)を超えるもの
  2. (2) その特定株式に係るストック・オプション(新株予約権)の行使をした日におけるその特定株式の価額がその日に譲渡があったものとした場合における権利行使価額(売上原価の額又は取得費の額)を超えるもの

2 「特定従事者」とは

 新株予約権に係る付与決議があった株式会社又はその株式会社と一定の関係にある法人の取締役、執行役又は使用人である個人以外の個人(大口株主及び大口株主の特別関係者を除き、中小企業等経営強化法に規定する認定新規中小企業者等に該当するその株式会社が認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画に従って行う社外高度人材活用新事業分野開拓に従事する社外高度人材で、その認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画の実施時期の開始の日等から新株予約権の行使をした日まで引き続き居住者である者に限ります。)をいいます。

3 「特定株式」とは

 ストック・オプション税制の適用を受けて取得した株式をいいます。ただし、上記1のみなし譲渡は、特定従事者として付与された新株予約権に係る株式に限られており、取締役等として付与された新株予約権に係る株式は除かれています。

4 「権利行使時価額」とは

 特定株式の国外転出時価額とその特定株式に係る新株予約権の行使をした日における特定株式の価額に相当する一定の金額のうち、いずれか少ない金額をいいます。

(注)

  1. 1 上記1の譲渡があったものとみなされた特定株式については、その国外転出の時に、権利行使時価額により取得したものとみなされます。
  2. 2 上記1のみなし譲渡の適用を受ける者が、その国外転出について、併せて国外転出時課税制度(所得税法第60条の2第1項)の適用を受ける場合には、まず、このみなし譲渡を適用し、次に国外転出時課税制度を適用することになります。

(措法29の2、措令19の3、所令109、措通29の2-4)

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出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1542.htm)