貸倒債権を回収したときの消費税額の計算
[平成30年4月1日現在法令等]
(平成31年分以降の元号の表示につきましては、便宜上、平成を使用するとともに西暦を併記しております。)
課税資産の譲渡等に係る売掛金などが貸倒れとなったときには、課税標準額に対する消費税額からその貸倒れとなった金額に含まれる消費税額を控除します。
ところが、この処理を行った売掛金など(以下「貸倒債権」といいます。)の一部又は全部について、その後の課税期間において回収することがあります。
この場合には、回収した貸倒債権に含まれる消費税額を、回収した課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算します。なお、回収した貸倒債権の額は税込みの金額です。
したがって、貸倒債権を回収した場合の処理は、次のようになります。
- (1) 一般用の申告書により申告する場合
回収した貸倒債権の合計額に原則として108分の6.3(注1、2)を掛けて回収した貸倒債権に含まれる消費税額を計算し、その消費税額について1円未満の端数を切り捨てます。そして、その金額を一般用の申告書の第3欄「控除過大調整税額」に記載します。 - (2) 簡易課税制度を適用して簡易用の申告書により申告する場合
回収した貸倒債権の合計額に原則として108分の6.3(注1、2)を掛けて回収した貸倒債権に含まれる消費税額を計算し、その消費税額について1円未満の端数を切り捨てます。そして、その金額を簡易用の申告書の第3欄「貸倒回収に係る消費税額」に記載します。
したがって、簡易課税制度を適用している事業者は、課税標準額に対する消費税額にその回収した貸倒債権に含まれる消費税額を加算した金額にみなし仕入率を掛けて控除対象仕入税額を計算することになります。
- (注1) 平成9年3月31日までの課税資産の譲渡等に係る貸倒債権を回収した場合には、貸倒債権の合計額に103分の3を掛けて、平成9年4月1日から平成26年3月31日までの課税資産の譲渡等に係る貸倒債権を回収した場合には、貸倒債権の合計額に105分の4を掛けて回収した貸倒債権に含まれる消費税額を計算します。
- (注2) 平成26年4月1日から平成31年(2019年)9月30日までの課税資産の譲渡等にかかる貸倒債権を回収した場合には貸倒債権の合計額に108分の6.3を掛けて、平成31年(2019年)10月1日以後の課税資産の譲渡等にかかる貸倒債権を回収した場合には貸倒債権の合計額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となった債権については、108分の6.24)を掛けて、回収した貸倒債権に含まれる消費税額を計算します。
「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税率の引上げを含む消費税法の改正が行われています。
詳しくは、コード6950社会保障と税の一体改革関係をご覧ください。
(消法37、39、45、平6改正法附則19、平24改正法附則12、平28改正法附則34、消基通13-1-6、平7.12課消2-26外)
出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6631.htm)