使用人等の発明に対して報償金などを支給したとき
[平成30年4月1日現在法令等]
業務上有益な発明、考案等をした役員又は使用人に対して使用者が支給する報償金、表彰金、賞金等については、次のように取り扱われます。
1 発明等に係る特許を受ける権利や特許権の承継に対して支給する場合
業務上有益な発明、考案又は創作をした人に対して、その発明、考案又は創作に係る特許、実用新案登録、意匠登録を受ける権利又は特許権、実用新案権、意匠権を使用者が承継することにより支給するものについては、次のように取り扱われます。
- (1) 権利の承継に際し一時に支給されるものは譲渡所得
- (2) 権利を承継した後において支給されるものは雑所得
2 職務発明による特許を受ける権利を使用者が原始取得したことに対して支給する場合
使用者原始帰属制度(契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者に職務発明に係る特許を受ける権利を取得させる制度をいいます。)に基づき、使用者が特許を受ける権利を取得したときは、発明者は使用者から相当の利益を受ける権利を有することとされていますが、この相当の利益として支給されるものは、雑所得となります。
なお、この相当の利益を受ける権利に基づいて支給されるものについては、源泉徴収の必要はありません。
3 使用人等が取得した特許権等について権利を設定したことにより支給する場合
役員又は使用人が取得した特許権、実用新案権や意匠権について通常実施権又は専用実施権を設定したことにより支給されるものは、雑所得となります。
なお、この場合の特許権等の使用料は、源泉徴収の対象となる報酬・料金に該当するため、支給するとき10.21%(1回に支払う金額が100万円を超える場合には、その超える部分については、20.42%)の源泉徴収が必要です。
4 特許等を受けるまでには至らない発明や工夫に対して支給する場合
社内提案制度等において、事務や作業の合理化、製品の品質の改善や経費の節約等に寄与する工夫、考案等をした人に対して支給される場合には、次のように取り扱われます。
- (1) その工夫、考案等がその人の通常の職務の範囲内である場合には給与所得
- (2) 通常の職務の範囲外である場合で、一時に支給されるものは一時所得
- (3) 通常の職務の範囲外である場合で、その工夫、考案等の実施後の成績等に応じ継続的に支給されるものは雑所得
5 災害防止等の功績により一時に支給する場合
災害等の防止又は発生した災害等による損害の防止等に功績のあった人に一時に支給する場合には、次のように取り扱われます。
- (1) その防止等がその人の通常の職務の範囲内である場合には給与所得
例えば、災害の防止等を本来の職務とする守衛等に、その防止等の功績に対して支給する場合には、給与所得(賞与)となります。 - (2) その防止等が通常の職務の範囲外である場合には一時所得
6 篤行者として社会的に顕彰され使用者に栄誉を与えた人に一時に支給する場合
人命救助等の篤行により社会的に顕彰され、使用者に栄誉を与えた人に一時に支給されるものは、一時所得となります。
(所法28、33、34、35、204、205、復興財確法28、所基通23から35共-1、特許法35(4))
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出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2592.htm)