一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定
[平成29年4月1日現在法令等]
貸倒引当金の繰入限度額は、個別評価金銭債権と一括評価金銭債権とに区分して計算することとされています。
このうち、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額の計算の概要は次のとおりです。
(注) 一括評価金銭債権の範囲については、コード5500「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲」を参照してください。
1 実績繰入率に基づく計算(原則)
貸倒引当金の設定対象事業年度末の一括評価金銭債権の帳簿価額に、過去3年間の貸倒損失発生額に基づく実績繰入率を乗じて計算します。
繰入限度額 = 期末一括評価金銭債権の帳簿価額 × 貸倒実績率(注)
(注) 貸倒実績率は、次の算式により、小数点以下4位未満を切り上げて計算します。
※ 算式中の「月数」については、暦に従って計算し、1か月に満たない端数が生じたときは、これを1か月とします。
2 法定繰入率に基づく計算(中小法人又は公益法人等若しくは協同組合等向けの特例)
下記(1)の各法人については、繰入限度額の計算に当たり、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の上記1の実績繰入率に基づく計算に代えて、下記(2)の繰入限度額の計算によることが認められています。
- (1) 対象となる法人
- イ 事業年度末における資本金が1億円以下の普通法人(ただし、下記の法人を除きます。)
- ・ 資本金が5億円以上の法人、相互会社又は受託法人(以下これらを併せて「大法人」といいます。)による完全支配関係がある普通法人
- ・ 完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている普通法人
- ・ 平成31年4月1日以後に開始する事業年度からは、適用年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の平均額が15億円を超える法人(適用除外事業者)
- ・ 保険業法に規定する相互会社
- ・ 保険業法に規定する外国相互会社
- ロ 公益法人等又は協同組合等
- イ 事業年度末における資本金が1億円以下の普通法人(ただし、下記の法人を除きます。)
- (2) 繰入限度額
- 次の算式により計算します。
- (注) 法定繰入率は下表のとおりです。
3 繰入限度額の割増しの特例(公益法人等又は協同組合等向けの特例)
公益法人等又は協同組合等については、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に開始する事業年度における一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額の計算を、上記1又は2のいずれの方法で行った場合であっても、繰入限度額を対象額の110%(注)に相当する金額とすることが認められています。
(注) 平成10年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始する事業年度においては116%、平成24年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度においては112%とされています。
(法法52、66、法令96、措法57の9、旧措法57の10、措令33の7、法基通11-2-16、11-2-18~11-2-20、平23.12改正法附則10、13、51、平29改正法附則61)
出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5501.htm)