スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲

[平成29年4月1日現在法令等]

 一括評価金銭債権とは、売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権で、個別評価金銭債権を除いたものをいい、具体的には次のとおりです。

1 一括評価金銭債権に当たるもの

 次のような金銭債権は、一括評価金銭債権に当たります。

  1. (1) 売掛金、貸付金
  2. (2) 未収の譲渡代金、未収加工料、未収請負金、未収手数料、未収保管料、未収地代家賃等又は貸付金の未収利子で益金の額に算入されたもの
  3. (3) 他人のために立替払をした場合の立替金(次の2の(4)に当たるものを除きます。)
  4. (4) 未収の損害賠償金で益金の額に算入されたもの
  5. (5) 保証債務を履行した場合の求償権
  6. (6) 売掛金、貸付金などの債権について取得した受取手形
  7. (7) 売掛金、貸付金などの債権について取得した先日付小切手のうち法人が一括評価金銭債権に含めたもの
  8. (8) 延払基準を適用している場合の割賦未収金等
  9. (9) 売買があったものとされる法人税法上のリース取引のリース料のうち、支払期日の到来していないもの

    (注) 法人税法上のリース取引の内容については、コード5702「リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)」を参照してください。

  10. (10) 工事進行基準を適用している場合のその工事の目的物を引き渡す前の工事未収金(平成20年4月1日以後に開始する事業年度)

2 一括評価金銭債権に当たらないもの

 次のような金銭債権は、一括評価金銭債権には当たりません。

  1. (1) 預貯金及びその未収利子、公社債の未収利子、未収配当その他これらに類する債権
  2. (2) 保証金、敷金、預け金その他これらに類する債権
  3. (3) 手付金、前渡金等のように資産の取得の代価又は費用の支出に充てるものとして支出した金額
  4. (4) 前払給料、概算払旅費、前渡交際費等のように将来精算される費用の前払として、一時的に仮払金、立替金等として経理されている金額
  5. (5) 金融機関における他店為替貸借の決済取引に伴う未決済為替貸勘定の金額
  6. (6) 証券会社又は証券金融会社に対し、借株の担保として差し入れた信用取引に係る株式の売却代金に相当する金額
  7. (7) 雇用保険法、雇用対策法、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定に基づき交付を受ける給付金等の未収金
  8. (8) 仕入割戻しの未収金
  9. (9) 保険会社における代理店貸勘定の金額
  10. (10) 法人税法第61条の5第1項(デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等)に規定する未決済デリバティブ取引に係る差金勘定等の金額
  11. (11) 法人がいわゆる特定目的会社(SPC)を用いて売掛債権等の証券化を行った場合において、その特定目的会社の発行する証券等のうちその法人が保有することとなったもの
  12. (12) 工事進行基準を適用している場合のその工事の目的物を引き渡す前の工事未収金(平成20年3月31日までに開始する事業年度)

 なお、中小企業等が法定繰入率を選択して一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額を計算する場合には、その債権の債務者から受け入れた金額があるため実質的に債権とみられない部分の金額に相当する金額を一括評価金銭債権の金額から控除します。

  1. (注1) 平成22年4月1日以後に開始する事業年度からは、法人税法第66条第6項第2号(平成23年4月1日以後に開始する事業年度(平成23年6月30日前に終了する事業年度を除きます。)にあっては、法人税法第66条第6項第2号又は第3号)に規定する法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子法人等)は法定繰入率を選択できません。
     また、平成31年4月1日以後に開始する事業年度からは、適用年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の平均額が15億円を超える法人(適用除外事業者)は法定繰入率を選択できません。
  2. (注2) 平成24年4月1日以後に開始する事業年度から、貸倒引当金を繰り入れることのできる適用法人が次の法人に限定されました。
    1. (1) 資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人のうち100%子法人等を除く法人
       なお、100%子法人等とは、(1)資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等(以下これらを併せて「大法人」といいます。)による完全支配関係(一の者が法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係をいいます。)がある普通法人、(2)完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人をいいます。
    2. (2) 資本又は出資を有しない普通法人
    3. (3) 公益法人等又は協同組合等
    4. (4) 人格のない社団等
    5. (5) 銀行、保険会社その他これらに準ずる法人
    6. (6) 金融に関する取引に係る金銭債権を有する一定の法人((1)から(5)に該当する法人を除きます。)

 なお、(6)の法人については、この制度の対象となる金銭債権が一定の金銭債権に限定されました。

 また、適用法人以外の法人については、平成24年4月1日から平成27年3月31日の間に開始する事業年度について一定の経過措置が設けられています。

(法法52、66、法令96、130、措法57の9、措令33の7、法基通11-2-16~20、措通57の9-1、平20改正法令附則2、平23.12改正法附則10、13、平29改正附則61、62)

出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5500.htm)