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子育て支援税制(事業所内託児施設等の割増償却)

[平成29年4月1日現在法令等]

1 制度の概要

 この制度は、青色申告法人で、次世代育成支援対策推進法に規定する一般事業主行動計画(託児施設の設置及び運営に関する事項が定められているものに限ります。以下「行動計画」といいます。)を厚生労働大臣に届け出ていること等一定の要件を満たす事業主が、平成19年4月1日から平成23年6月30日までの間に、その行動計画に従って一定の基準を満たす託児施設の取得等をし、かつ、適用事業年度の終了の日においてその託児施設が事業所内託児施設に該当するものとして証明された場合には、その適用事業年度終了の日において有する託児施設並びにこれと同時に取得等した遊戯具等について割増償却を認めるものです。

(注) 平成23年6月の「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」により、本制度は廃止されました。
 平成23年6月30日前に取得等をした事業所内託児施設等については、従来どおり適用されます。

 なお、平成23年6月の「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」により、青色申告法人に対して、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に開始する事業年度(平成23年6月30日前に終了する事業年度を除く。)については、子育て支援税制に代わる次世代育成支援対策に係る基準適合認定を受けた場合の建物等の割増償却制度(いわゆる「くるみん税制」)が創設されています(平成26年度税制改正で適用期限が平成27年3月31日まで1年延長、平成27年度税制改正で適用期限が平成30年3月31日まで3年延長されています)。

(※) この制度については、厚生労働省ホームページに「くるみん」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/)が掲載されていますので、詳細はそちらをご参照ください。

2 適用対象法人

 この制度の対象となる法人は、行動計画を厚生労働大臣に届け出ている青色申告法人です。
 ただし、常時雇用する労働者の数が300人以下である法人(以下「中小事業主」といいます。)以外の法人にあっては、その行動計画の内容を公表していることが必要です。

3 適用事業年度

 この制度の適用事業年度は、適用対象資産をその用に供した日からその日を含む事業年度開始の日以後5年を経過した日の前日までの期間内の日を含む各事業年度で、かつ、その事業年度終了の日においてその適用対象資産を有している各事業年度です。

4 適用対象資産

 この制度の対象となる資産は、その法人の雇用する次世代育成支援対策推進法第5条の労働者(以下「労働者」といいます。)が利用することができる託児施設(児童福祉法第39条に規定する業務を目的とする施設をいいます。)で、その行動計画に従って取得し、又は建設したもの(一定の建物及びその附属設備の部分に限ります。)のうち、次に掲げる基準(病院又は診療所を開設している法人については(5)以外の基準)を満たすもの(以下「事業所内託児施設」といいます。)です。
 なお、この制度の対象となる資産には、その事業所内託児施設と同時に取得(平成20年4月1日以後に所有権移転外リース取引により取得したものを除きます。)し、又は製作した遊戯具、家具及び一定の防犯設備も含まれます(以下、事業所内託児施設とこれらの遊戯具等を併せて「事業所内託児施設等」といいます。)。

  1. (1) 事業所(社宅を含みます。)の敷地内、事業所の近接地又はその法人の雇用する労働者の通常の通勤経路に設置されるもので、継続的にその用に供されることが見込まれるものであること。
  2. (2) 託児施設の規模が次に掲げる基準を満たしていること。
    1. イ 乳幼児1人当たりの施設の面積が7平方メートル以上であること。
    2. ロ 乳幼児の定員が10人以上(中小事業主が設置するものにあっては6人以上)であること。
  3. (3) 託児施設の構造及び設備が次に掲げる基準を満たしていること。
    1. イ 保育室、調理室及び便所が設置されていること。
    2. ロ 保育室について、次の基準を満たしていること。
      1. (イ) 満2歳未満の乳幼児1人当たりの保育室の面積が1.65平方メートル以上であり、かつ、満2歳以上の幼児1人当たりの保育室の面積が1.98平方メートル以上であること。
      2. (ロ) 乳児の保育を行う場所が幼児の保育を行う場所と区画されていること。
      3. (ハ) 適当な採光及び換気の設備を有すること。
      4. (ニ) 保育室を2階以上の階に設置する建物は、児童福祉施設最低基準の要件に適合していること。
    3. ハ 便所について、次の基準を満たしていること。
      1. (イ) 手洗い設備が設けられるとともに、保育室や調理室と区画されていること。
      2. (ロ) その数がおおむね幼児20人につき1以上であること。
    4. ニ 消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備が設けられていること。
  4. (4) 保育士の数は、乳児おおむね3人につき1人以上、満1歳以上満3歳未満の幼児おおむね6人につき1人以上、満3歳以上満4歳未満の幼児おおむね20人につき1人以上、満4歳以上の幼児おおむね30人につき1人以上とすること。
  5. (5) 医療を受けることができる体制が確保されていること。
  6. (6) 託児施設の利用者の総数のうちその法人の雇用する労働者の占める割合が二分の一以上であること。

5 償却限度額

 事業所内託児施設等に係る償却限度額は、その事業所内託児施設等の普通償却限度額とその普通償却限度額の20%(中小事業主は30%)相当額との合計額です。

6 その他注意事項

 この制度の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書と都道府県知事等が適用対象となる事業所内託児施設に該当するものである旨を確認した書類及びその確認に係る申請書の写しを添付する必要があります。

(旧措法46の2、旧措法46の3、旧措法46の4、措法46の2、措令29の3、平19改正法附則93、平20改正法附則56、平23.6改正法附則50、53、平27改正法附則79、旧措令29の3、旧措規20の19、措規20の19)

出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5925.htm)