医療法人の持分についての相続税の税額控除の特例
[平成30年4月1日現在法令等]
(平成31年分以降の元号の表示につきましては、便宜上、平成を使用するとともに西暦を併記しております。)
1 特例のあらまし
相続人等が、被相続人から相続又は遺贈により医療法人の持分を取得した場合において、その医療法人が相続開始の時において認定医療法人(相続税の申告期限又は平成32年(2020年)9月30日のいずれか早い日までに厚生労働大臣の認定を受けた医療法人を含みます。)であり、かつ、相続人等が相続開始の時から相続税の申告期限までの間に、認定医療法人の持分の全部又は一部を放棄したときは、その相続人等の相続税額から、放棄相当相続税額を控除します(相続税額から控除する放棄相当相続税額を「医療法人持分税額控除額」といいます。)。
(注)「医療法人持分税額控除額」とは、認定医療法人の持分の価格を相続人等に係る相続税の課税価格とみなして計算した金額のうち、その相続人等により放棄がされた部分に相当するものとして、次に掲げる場合に応じて計算した金額をいいます。
(1) | 認定医療法人の持分の全てを放棄※1した場合 | 医療法人持分納税猶予税額に相当する金額 |
(2) | 認定医療法人が基金拠出型医療法人への移行をする場合において、持分の一部を放棄※1し、その残余の部分をその基金拠出型医療法人の基金として拠出※2したとき | 医療法人持分納税猶予税額に相当する金額から基金として拠出した額に対応する部分の金額を控除した残額 |
- ※1 厚生労働大臣が定める「出資持分の放棄申出書」(医療法施行規則附則様式7)を認定医療法人に提出することにより放棄をしなければなりません。
- 2 基金として拠出した額に対応する部分の相続税額は税額控除の対象となりません。
なお、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合には、この特例の適用を受けることはできません。
(1) | 相続開始の時から相続税の申告期限までの間に、医療法人の持分に基づき出資額に応じた払戻しを受けた場合 |
(2) | 相続開始の時から相続税の申告期限までの間に、医療法人の持分の譲渡をした場合 |
(注)
- 1 「医療法人」とは、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律(平成18年法律第84号。以下「平成18年医療法等改正法」といいます。)附則第10条の2に規定する経過措置医療法人(平成19年4月1日前に設立された社団たる医療法人又は同日前に医療法第44条第1項の規定による認可の申請をし、同日以後に設立の認可を受けた社団たる医療法人であって、その定款に残余財産の帰属すべき者に関する規定を設けていないもの及び残余財産の帰属すべき者として同条第5項に規定する国若しくは地方公共団体又は厚生労働省令で定める一定の者以外の者を規定しているものをいいます。)をいいます。
- 2 「厚生労働大臣の認定」とは、平成18年医療法等改正法附則第10条の3第1項の規定による厚生労働大臣の認定をいいます。
- 3 「認定医療法人」とは、平成18年医療法等改正法附則第10条の4第1項に規定する認定医療法人であって、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日(平成26年10月1日)から平成32年(2020年)9月30日までの間に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人をいいます。
- 4 「基金拠出型医療法人」とは、平成18年医療法等改正法附則第10条の3第2項第1号ハに規定する基金拠出型医療法人をいいます。
2 特例を受けるための要件
この特例の適用を受けるためには、次の要件などを満たす必要があります。
- (1) 被相続人の要件
医療法人の持分を有していた人であること。 - (2) 相続人等の要件
被相続人から相続又は遺贈により医療法人の持分を取得し、かつ、相続開始の時から相続税の申告期限までの間に認定医療法人の持分の全部又は一部を放棄した人であること。 - (3) 医療法人の持分の要件
持分の放棄をした時において認定医療法人の持分(遺産分割されたものに限ります。)であって、相続税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨を記載したものであること。
なお、厚生労働大臣の認定を受ける前に放棄をした持分については、この特例の適用を受けることはできません。 - (4) 申告の手続
この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書を期限内に提出する必要があります。
(措法70の7の13、措令40の8の13、措規23の12の9)
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出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4177.htm)