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借入金を利用して多世帯同居改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)

[平成31年4月1日現在法令等]

1 概要

特定増改築等住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、自己が所有している居住用家屋についてバリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修工事を含む増改築等(以下「特定の増改築等」といいます。)をし、一定の要件を満たす場合において、その特定の増改築等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。
 このコードでは、特定の増改築等のうち、多世帯同居改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用要件等について説明します。バリアフリー改修工事や省エネ改修工事をした場合の適用要件等についてはコード1217・コード1218をご覧ください。
 なお、多世帯同居改修工事について、多世帯同居改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)(コード1224)の適用要件にも該当している方は、これらの控除のいずれか一つの選択適用となります。

(注) 災害によりマイホームが被害を受けた場合で、一定の要件を満たすときに、以下の特例の適用を受けることができますので、それぞれのリンク先を参照してください。

  1. 1 災害により(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合
    「災害を受けたときの住宅借入金等特別控除の適用期間の特例等」(コード8013)を参照してください。
  2. 2 東日本大震災によって(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合
    「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【被害を受けた方(所得税関係)】」をご覧ください。
  3. 3 東日本大震災によって(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合
    「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)】」及び【東日本大震災に関する税制上追加措置について(平成24年度及び平成25年度の税制改正による所得税(譲渡所得関係を除く)の追加措置)】をご覧ください。

2 多世帯同居改修工事をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用要件

個人が一定の多世帯同居改修工事を行った場合で、特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を満たすときです。

  1. (1) 自己が所有する家屋について一定の多世帯同居改修工事(特定多世帯同居改修工事等)を含む増改築等をして、平成28年4月1日から令和3年12月31日までの間に自己の居住の用に供していること。
     「特定多世帯同居改修工事」とは、家屋について行う他の世帯との同居をするのに必要な設備の数を増加させるための増築、改築、修繕又は模様替えで調理室を増設する工事、浴室を増設する工事、便所を増設する工事又は玄関を増設する工事を含む増改築等いいます。
    1. (注) 自己の居住の用に供する部分に調理室、浴室、便所又は玄関のうちいずれか二以上の室がそれぞれ複数になる場合に限ります。
  2. (2) 多世帯同居改修工事の費用の額(注)が50万円を超えるものであること。
    1. (注) 多世帯同居改修工事等を含む増改築等の費用に関し、補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これらに準ずるものをいいます。以下同じです。)の交付を受けている場合には、その補助金等の額を控除します。
  3. (3) 増改築等の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
    1. (注) 個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいること。
       なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合、控除の適用対象は主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
  4. (4) この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。
  5. (5) 増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
    1. (注) この場合の床面積の判断基準は、次のとおりです。
    2. イ 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
    3. ロ マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
    4. ハ 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
    5. 二 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
       ただし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する区画の床面積によって判断します。
  6. (6) その工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
  7. (7) 5年以上にわたり分割して返済する方法になっている増改築等のための一定の借入金又は債務があること。
    一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建築業者などに対する債務です。ただし、勤務先からの借入金の場合には、無利子又は0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金は、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。また、親族や知人からの借入金は、全てこの特別控除の対象となる借入金には該当しません。
    詳しくはコード1226(特定増改築等住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等)を参照してください。
  8. (8) 居住の用に供した年とその前後2年ずつの5年間に居住用財産を譲渡した場合、長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3第1項、35条1項(同条3項の規定により適用する場合を除きます。)、36条の2、36条の5若しくは37条の5又は旧租税特別措置法36条の2、36条の5若しくは37条の9の2)を受けていないこと。

3 特定増改築等住宅借入金等特別控除の控除期間及び控除額の計算方法

この特別控除の控除期間は5年間で、控除額は次のように計算します。

A×2%+(B-A)×1%=控除額(最高12万5千円)

  1. A 増改築等の住宅借入金等の年末残高の合計額のうち、多世帯同居改修工事に要した費用の額の合計額に相当する部分の金額(特定増改築等限度額250万円)(※)
  2. B 増改築等の住宅借入金等の年末残高の合計額(最高1千万円)

※ 多世帯同居改修工事を含む増改築等の費用の額に関し補助金等の交付を受けている場合には、その補助金等の額を控除します。

  1. (注1) 対象となる増改築等の住宅借入金等の年末残高の金額は、居住の用に供している住宅の増改築等の費用に相当する金額が限度です。
     なお、当該増改築等の費用に相当する金額は、増改築等に関して補助金等の交付を受けている場合にはその補助金等の額を、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」(措法70の2)又は「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」(措法70の3)(以下、併せて「住宅取得等資金の贈与の特例」といいます。)を適用する場合にはその特例の適用を受けた住宅取得等資金の額を控除した金額となります。
  2. (注2) 算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てます。
  3. (注3) 多世帯同居改修工事に要した費用の額は、増改築等工事証明書において確認することができます。

4 特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続

特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続は、控除を受ける最初の年分と2年目以後の年分とでは異なります。
 まず、控除を受ける最初の年分は、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる書類を添付して、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出する必要があります。
 なお、2年目以後の年分は、必要事項を記載した確定申告書に次の(1)の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」(付表が必要な場合は付表を含みます。)のほか、次の(2)の「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(2か所以上から交付を受けている場合は、その全ての証明書)を添付して提出すればよいことになっています。
 また、給与所得者は、控除を受ける最初の年分については、上記のとおり、確定申告書を提出する必要がありますが、2年目以後の年分は、年末調整でこの特別控除の適用を受けることができます。この場合、税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出する必要があります。

  1. (1) 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
  2. (2) 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合は、その全ての証明書)
  3. (3) 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し等(※)で次のことを明らかにする書類
    1. イ 増改築等をした年月日
    2. ロ 増改築等に要した費用の額
    3. ハ 家屋の床面積が50平方メートル以上であること
    4. 二 増改築等が特定取得に該当する場合にはその該当する事実
      1. ※ 多世帯同居改修工事を含む増改築等の費用に関し、補助金等の交付を受けているときは、補助金等の額を証する書類、住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けているときは、住宅取得等資金の額を証する書類の写しも添付してください。
  4. (4) 増改築等工事証明書
  5. (5) 敷地を先行取得している場合
    1. イ 敷地の登記事項証明書、売買契約書の写し等で、敷地の購入年月日及び敷地の購入の対価の額を明らかにする書類
    2. ロ 家屋の増改築等の日前に一定期間内の建築条件付で購入した敷地の場合は、敷地の分譲に係る契約書の写しなどで、契約において一定期間内の建築条件が定められていることを明らかにする書類(イの書類により明らかにされている場合には不要です。)
    3. ハ 家屋の増改築等の日前に3か月以内の建築条件付きで購入した敷地の場合は、敷地の分譲に係る契約書の写しなどで、契約において3か月以内の建築条件が定められていることを明らかにする書類(イの書類により明らかにされている場合には不要です。)
    4. 二 家屋の増改築等の日前2年以内に購入した敷地の場合
      1. (イ) 金融機関、地方公共団体又は貸金業者からの借入金の場合は、家屋の登記事項証明書などで、家屋に抵当権が設定されていることを明らかにする書類((3)の書類により明らかにされている場合には不要です。)
      2. (ロ) 上記(イ)以外の借入金の場合は、家屋の登記事項証明書などで、家屋に抵当権が設定されていることを明らかにする書類((3)の書類により明らかにされている場合には不要です。)又は貸付け若しくは譲渡の条件に従って一定期間内に家屋が建築されたことをその譲渡の対価に係る債権を有する者が確認した旨を証する書類
      1. (注) 給与所得のある方について、平成31年4月1日以後、給与所得の源泉徴収票は、確定申告書への添付又は確定申告書を提出する際の提示が不要となりました。ただし、確定申告書を作成する際には引き続き給与所得の源泉徴収票が必要となりますので、税務署等へお越しになる際には忘れずにお持ちください。

【登記事項証明書を取得される方へ(法務局からのお知らせ)】

土地・建物の登記事項証明書の請求については、登記所の窓口での請求、郵送による請求のほか、自宅・会社等のパソコンからインターネットを利用してオンラインによる請求を行うことができます。オンラインによる請求は、手数料が安く、平日は21時まで可能です。
 オンラインによる登記事項証明書の請求手続の詳細については、法務局のホームページをご覧ください。

5 注意事項

多世帯同居改修工事をした方で、増改築等をした場合の住宅借入金等特別控除(コード1216)又は住宅特定改修特別税額控除(コード1224)のいずれの適用要件も満たしているときは、これらの控除のいずれか一つの選択適用となります。
 この選択により、特定増改築等借入金等特別控除を適用して確定申告書を提出した場合には、その後の全ての年分についても、その選択し適用した特定増改築等借入金等特別控除を適用することになり、選択替えはできませんのでご注意ください。
 なお、特定増改築等住宅借入金等特別控除を適用しなかった場合も同様です。

(措法41、41の3の2、措令26の4、措規18の23の2、措通41の3の2-2、措通41の3の2-4~41の3の2-6、震災特例法13、13の2、平28改正法附則76、昭和63年建設省告示1274号、平成28年国交省告示585号)

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出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1223.htm)