バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
[平成31年4月1日現在法令等]
1 概要
バリアフリー改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除(住宅ローン等の利用がなくても適用できます。)とは、特定個人が、自己が所有している居住用家屋について高齢者等居住改修工事等(以下「バリアフリー改修工事」といいます。)を行った場合において、当該家屋を平成21年4月1日から令和3年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときに、一定の要件の下で、一定の金額をその年分の所得税額から控除するものです。控除額の計算は3を参照してください。
なお、このバリアフリー改修工事について借入金等を有しており、住宅借入金等特別控除又は特定増改築等住宅借入金等特別控除のいずれの適用要件も満たしている場合は、これらの控除のいずれか一つの選択適用となります。
(注) (1)平成29年1月1日以後に居住の用に供した場合において、前年以前3年分に、バリアフリー改修工事をした場合のこの税額控除を適用したときや、(2)平成27年1月1日から平成28年12月31日までの間に居住の用に供した場合において、前年以前2年分に、バリアフリー改修工事をした場合のこの税額控除を適用したとき、(3)平成26年4月1日から同年12月31日までの間に居住の用に供した場合において、前年分に、バリアフリー改修工事をした場合のこの税額控除を適用したとき、(4)平成26年3月31日以前に居住の用に供した場合において、前年分にこの税額控除を適用したときは、原則として、当該年分において適用することはできないこととされています。
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2 バリアフリー改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除の適用要件
個人がバリアフリー改修工事を行った場合で、住宅特定改修特別税額控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を満たすときです。
(注)平成28年3月31日以前の改修工事について、居住者以外の方は住宅特定改修特別税額控除の適用を受けることはできません。
- (1) 自己が所有する家屋についてバリアフリー改修工事をして、平成21年4月1日から令和3年12月31日までの間に自己の居住の用に供していること。
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(2) バリアフリー改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること。
なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合、控除の適用対象は主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。 - (3) この税額控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。
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(4) バリアフリー改修工事を行う者が、次のいずれかに該当する特定個人であること。
- イ 50歳以上の者
- ロ 介護保険法に規定する要介護又は要支援の認定を受けている者
- ハ 所得税法上の障害者である者
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ニ 高齢者等(65歳以上の者又は上記(ロ)若しくは(ハ)に該当する者をいいます。)である親族と同居を常況としている者
(注) 50歳以上、65歳以上及び同居の判定は、居住年の12月31日(年の途中で死亡した場合には死亡の時)の現況によります。
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(5) 次のいずれかに該当するバリアフリー改修工事であること。
- イ 介助用の車椅子で容易に移動するために通路又は出入口の幅を拡張する工事
- ロ 階段の設置(既存の階段の撤去を伴うものに限る。)又は改良によりその勾配を緩和する工事
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ハ 浴室を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
- (イ) 入浴又はその介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させる工事
- (ロ) 浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事
- (ハ) 固定式の移乗台、踏み台その他の高齢者等の浴室の出入りを容易にする設備を設置する工事
- (ニ) 高齢者等の身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置し又は同器具に取り替える工事
- ニ 便所を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
- (イ) 排泄又はその介助を容易に行うために便所の床面積を増加させる工事
- (ロ) 便器を座便式のものに取り替える工事
- (ハ) 座便式の便器の座高を高くする工事
- ホ 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事
- へ 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の段差を解消する工事(勝手口その他屋外に面する開口の出入口及び上がりかまち並びに浴室の出入口にあっては、段差を小さくする工事を含みます。)
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ト 出入口の戸を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
- (イ) 開戸を引戸、折戸等に取り替える工事
- (ロ) 開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事
- (ハ) 戸に戸車その他の戸の開閉を容易にする器具を設置する工事
- チ 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の材料を滑りにくいものに取り替える工事
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- (6) バリアフリー改修工事に係る標準的な費用の額(注1)が50万円(注2)を超えるものであること。
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(注1) 平成23年6月30日以後に改修工事に係る契約を締結して、そのバリアフリー改修工事を含む改修工事の費用に関し補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これらに準ずるものをいいます。以下同じです。)の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。
なお、平成23年6月30日前に改修工事に係る契約を締結して、地方公共団体から補助金等の交付、介護保険法に規定する居宅介護住宅改修費の給付又は介護予防住宅改修費の給付を受ける場合は、それらの額を控除します。 - (注2) 平成26年3月31日以前に居住の用に供する場合については、バリアフリー改修工事の費用の額(補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除した金額)が30万円を超えるものとされています。
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(注1) 平成23年6月30日以後に改修工事に係る契約を締結して、そのバリアフリー改修工事を含む改修工事の費用に関し補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これらに準ずるものをいいます。以下同じです。)の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。
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(7) 工事をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
(注) この場合の床面積の判断基準は、次のとおりです。
- 1 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
- 2 マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
- 3 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
- 4 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
ただし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する区画の床面積によって判断します。
- (8) その工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
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3 住宅特定改修特別税額控除の控除額の計算方法
(1) 平成26年4月1日から令和3年12月31日までの間に居住の用に供した場合
住宅特定改修特別税額控除の控除額は、バリアフリー改修工事の標準的な費用の額(最高200万円)※の10%です(算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てます。)。
※ バリアフリー改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。
- (注1) 「バリアフリー改修工事の標準的な費用の額」は、増改築等工事証明書において確認することができます。
- (注2) バリアフリー改修工事の標準的な費用の額とは、バリアフリー改修工事の種類ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に、そのバリアフリー改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいいます。
- (注3) バリアフリー改修工事の標準的な費用の額の限度額200万円は、バリアフリー改修工事に要した費用の額に含まれる消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額をいいます。以下同じです。)のうちに、消費税及び地方消費税の8%又は10%の税率により課されるべき消費税額等が含まれている場合であり、それ以外の場合、標準的な費用の額の限度額は、150万円となります。
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(2) 平成21年4月1日から平成26年3月31日までの間に居住の用に供した場合
住宅特定改修特別税額控除の控除額は、次のいずれか少ない金額(最高200万円(平成24年分は最高150万円))の10%です(算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てます。)。
- イ バリアフリー改修工事に要した費用の額(※)
- ロ バリアフリー改修工事の標準的な費用の額
※ 平成23年6月30日以後に改修工事に係る契約をして、そのバリアフリー改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。
なお、平成23年6月30日前に改修工事に係る契約を締結して、地方公共団体から補助金等の交付、介護保険法に規定する居宅介護住宅改修費の給付又は介護予防住宅改修費の給付を受ける場合は、それらの額を控除します。
- (注1) 同一年中に省エネ改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除の適用を受ける場合には、控除額は合計で20万円(太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は30万円)を限度とします。
- (注2) 「バリアフリー改修工事に要した費用の額」及び「バリアフリー改修工事等の標準的な費用の額」は、増改築等工事証明書において確認することができます。
- (注3) バリアフリー改修工事の標準的な費用の額とは、バリアフリー改修工事の種類ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に、そのバリアフリー改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいいます。
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4 住宅特定改修特別税額控除の適用を受けるための手続
住宅特定改修特別税額控除の適用を受けるためには、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる書類を添付して、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出する必要があります。
- (1) 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
- (2) 増改築等工事証明書
- (3) 家屋の登記事項証明書など家屋の床面積が50平方メートル以上であることを明らかにする書類
- (4) 介護保険の被保険者証の写し(2(4)ロの者又は2(4)ニの者(要介護認定若しくは要支援認定を受けている親族と同居を常況としている者に限ります。)に該当する場合は、それぞれの認定に係るもの)
なお、平成26年3月31日以前に居住の用に供した場合には、上記の書類のほかに次の書類が必要です。
工事請負契約書の写しなど(※)改修工事の年月日及びその費用の額を明らかにする書類
※ 平成23年6月30日以降に改修工事に係る契約をして、そのバリアフリー改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、補助金等の額を証する書類も添付してください(なお、平成23年6月30日前に補助金等、居宅介護住宅改修費又は介護予防住宅改修費の給付を受けている場合は、その額を明らかにする書類の添付が必要です。)。
(注1) 給与所得のある方について、平成31年4月1日以後、給与所得の源泉徴収票は、確定申告書への添付又は確定申告書を提出する際の提示が不要となりました。ただし、確定申告書を作成する際には引き続き給与所得の源泉徴収票が必要となりますので、税務署等へお越しになる際には忘れずにお持ちください。
(注2) 平成27年分以前の申告では、この控除を受ける者の住民票の写し(マイナンバー(個人番号)が記載されていないもの。なお、2(4)ニに該当する者の場合には、この控除を受ける家屋の所在地がその者の住所地として記載されているとともに、その者と同居を常況とする高齢者等である親族の住所地としても記載されたもの)も必要です。
(注3) 平成26年3月31日以前に居住の用に供した場合には、上記の書類のほかに工事請負契約書の写しなど(※)改修工事の年月日及びその費用の額を明らかにする書類が必要です。
※ 平成23年6月30日以降に改修工事に係る契約をして、そのバリアフリー改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、補助金等の額を証する書類も添付してください(なお、平成23年6月30日前に補助金等、居宅介護住宅改修費又は介護予防住宅改修費の給付を受けている場合は、その額を明らかにする書類の添付が必要です。)。
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【登記事項証明書を取得される方へ(法務局からのお知らせ)】
土地・建物の登記事項証明書の請求については、登記所の窓口での請求、郵送による請求のほか、自宅・会社等のパソコンからインターネットを利用してオンラインによる請求を行うことができます。オンラインによる請求は、手数料が安く、平日は21時まで可能です。
オンラインによる登記事項証明書の請求手続の詳細については、法務局のホームページをご覧ください。
5 注意事項
バリアフリー改修工事をした場合で、コード1216で説明している住宅借入金等特別控除やコード1218で説明している特定増改築等住宅借入金等特別控除のいずれの適用要件も満たしているときは、これらの控除のいずれか一つの選択適用となります。
この選択により、住宅特定改修特別税額控除を適用して確定申告書を提出した場合には、その後においても、その選択し適用した住宅特定改修特別税額控除を適用することになり、選択替えはできませんのでご注意ください。
なお、住宅特定改修特別税額控除を適用しなかった場合も同様です。
(措法41、41の3の2、41の19の3、措令26の28の5、措規19の11の3、措通41の19の3-2、41の19の3-3、平成25年改正法附則60、昭和63年建設省告示1274号、平成21年国交省告示384号)
出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1220.htm)