平成21年及び平成22年に土地等を先行取得したときの特例
[平成30年4月1日現在法令等]
1 特例のあらまし
不動産所得、事業所得又は山林所得が生じる業務を行っている個人(以下「個人事業者」といいます。)が、平成21年及び平成22年に土地等を取得している場合で、その土地等(以下「先行取得土地等」といいます。)を取得した年の翌年以後10年以内にその個人が所有する他の事業用の土地等(以下「事業用土地等」といいます。)を譲渡したときは、事業用土地等に係る譲渡利益の金額から一定の金額を控除して譲渡所得の金額を計算することができます。
2 特例を受けるための要件
(1) 先行取得土地等に関するもの
- イ 個人事業者が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得すること。
- ロ 土地等を取得した年の翌年3月15日までに取得価額など一定の事項を記載した「租税特別措置法第37条の9の5第1項の規定による先行取得土地等の届出書」を所轄税務署長に提出すること。
- ハ 国内にある土地等であること。
土地等には借地権など土地の上に存する権利が含まれます。以下同じです。 - ニ 棚卸資産や棚卸資産に準ずるものではないこと。
- ホ 親子や夫婦など特別な間柄にある者からの取得ではないこと。
特別な間柄には、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。 - ヘ 相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済及び所有権移転外リース取引による取得ではないこと。
- ト 特例を受けようとする年の12月31日現在において保有していること。
(2) 事業用土地等に関するもの
- イ 先行取得土地等を取得した年の翌年以後10年以内に譲渡すること。
- ロ 事業の用に供しているものであること。
- ハ 収用等の場合の代替資産の特例などの適用を受けることができる収用、買取り、換地処分などによる譲渡ではないこと。
- ニ 固定資産を交換した場合の特例や事業用資産を買い換えた場合の課税の特例など他の譲渡所得の特例を受けないこと。
3 事業用土地等の譲渡利益の金額から控除する金額
事業用土地等に係る譲渡利益の金額から控除する一定の金額は、次のうちいずれか低い方の額になります。ただし、既に、この特例の適用を受けて取得価額がゼロとなっている土地等は、特例の対象となる先行取得土地等からは除外されます
- (1) 事業用土地等の譲渡利益の金額の80パーセント相当額(先行取得土地等の取得が平成22年中であるもののみの場合は60パーセント相当額とされます。)。
- (2) 事業用土地等の譲渡利益の金額から一定の譲渡損失の金額を控除した残りの金額
- (3) 先行取得土地等の取得価額
4 先行取得土地等の取得価額の減額
この特例を適用した場合、事業用土地の譲渡利益金額から控除した上記3の金額を先行取得土地等の取得価額から減額します。
その結果、翌年以降に先行取得土地等について再度この特例を受ける場合の取得価額及び翌年以降に先行取得土地等を譲渡した場合に譲渡所得を計算する際の取得価額は、減額後の価額となります。
なお、平成21年と平成22年に取得した先行取得土地等がある場合には、まず平成21年に取得した先行取得土地等の取得価額から減額します。ただし、同一年中に取得した先行取得土地等が2以上ある場合には、いずれの先行取得土地等の取得価額から優先して控除するかは、納税者が選択できます。
5 特例を受けるための手続
この特例を受けるためには、先行取得土地等及び事業用土地等について次の手続きが必要です。
(1) 先行取得土地等
土地等を取得した年の翌年3月15日までに取得価額など一定の事項を記載した「租税特別措置法第37条の9の5第1項の規定による先行取得土地等の届出書」を所轄税務署長に提出すること。
(2) 事業用土地等
事業用土地等を譲渡した年分の確定申告書に、この特例を受ける旨記載するとともに次の書類を添付すること。
- イ 平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例に関する計算明細書(PDF/118KB)
- ロ 特例を受ける先行取得土地等の登記事項証明書や売買契約書の写しなどで、その先行取得土地等が平成21年又は平成22年に取得されたものであることを明らかにする書類
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出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3274.htm)