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相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

[平成30年4月1日現在法令等]

1 相続税が取得費に加算される特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)

(1) 特例の概要

 この特例は、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。

(注) この特例は譲渡所得のみに適用がある特例ですので、株式等の譲渡による事業所得及び雑所得については、適用できません。

(2) 特例を受けるための要件

  1. イ 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. ロ その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. ハ その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

(3) 取得費に加算する相続税額

 取得費に加算する相続税額は、相続又は遺贈の開始した日により、次のイ又はロの算式で計算した金額となります。ただし、その金額がこの特例を適用しないで計算した譲渡益(土地、建物、株式などを売った金額から取得費、譲渡費用を差し引いて計算します。)の金額を超える場合は、その譲渡益相当額となります。

イ 平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得した財産を譲渡した場合の算式は、次のとおりとなります。なお、譲渡した財産ごとに計算します。

<算式>

ロ 平成26年12月31日以前の相続又は遺贈により取得した財産を譲渡した場合の算式は、譲渡した財産(土地等(注)又は土地等以外の財産の別)により、次のとおりとなります。

(イ) 土地等を譲渡した場合

 土地等を譲渡した人にかかった相続税額のうち、その者が相続や遺贈で取得した全ての土地等に対応する額

<算式>

 ただし、既にこの特例を適用して取得費に加算された相続税額がある場合には、その金額を控除した額となります。

(注)

  1. 1 土地等とは、土地及び土地の上に存する権利をいいます。
  2. 2 土地等には、相続時精算課税の適用を受けて、相続財産に合算された贈与財産である土地等や、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した土地等が含まれ、相続開始時において棚卸資産又は準棚卸資産であった土地等や物納した土地等及び物納申請中の土地等は含まれません。
(ロ) 土地等以外の財産(建物や株式など)を譲渡した場合

 建物や株式などを譲渡した人にかかった相続税額のうち、その譲渡した建物や株式などに対応する額。なお、譲渡した財産ごとに計算します。

<算式>

2 この特例を受けるための手続

 この特例を受けるためには確定申告をすることが必要です。
 確定申告書には、(1)相続税の申告書の写し(第1表、第11表、第11の2表、第14表、第15表)、(2)相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書、(3)譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書などの添付が必要です。
 (2)の計算明細書を利用すると、取得費に加算される相続税額を計算することができます。

(所法33、38、措法39、措令25の16、措規18の18)

出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm)