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保証債務を履行するために土地建物などを売ったとき

[平成31年4月1日現在法令等]

1 特例のあらまし

 保証債務を履行するために土地建物などを売った場合には、所得がなかったものとする特例があります。
 保証債務の履行とは、本来の債務者が債務を弁済しないときに保証人などが肩代りをして、その債務を弁済することをいいます。
 保証債務の履行に当てはまる主なものは次の四つです。

  1. (1) 保証人、連帯保証人として債務を弁済した場合
  2. (2) 連帯債務者として他の連帯債務者の債務を弁済した場合
  3. (3) 身元保証人として債務を弁済した場合
  4. (4) 他人の債務を担保するために、抵当権などを設定した人がその債務を弁済したり、抵当権などを実行された場合

2 特例の要件

 この特例を受けるには、次の三つの要件すべてに当てはまることが必要です。

  1. (1) 本来の債務者が既に債務を弁済できない状態であるときに、債務の保証をしたものでないこと
  2. (2) 保証債務を履行するために土地建物などを売っていること
  3. (3) 履行をした債務の全額又は一部の金額が、本来の債務者から回収できなくなったこと

 この回収できなくなったこととは、本来の債務者が資力を失っているなど、債務の弁済能力がないため、将来的にも回収できない場合をいいます。
 例えば、本来の債務者が破産をしていたり、失そうをしているなどの場合がこれに当たります。
 したがって、本来の債務者に弁済能力があるのに、債権の回収をしないときは、この特例は受けられません。

3 所得がなかったものとされる金額

 所得がなかったものとする部分の金額は次の三つのうち一番低い金額です。

  1. (1) 肩代りをした債務のうち、回収できなくなった金額
  2. (2) 保証債務を履行した人のその年の総所得金額等の合計額
  3. (3) 売った土地建物などの譲渡益の額

 これらの金額は、下記4の(1)の計算明細書を使うと計算できます。

4 特例を受けるための手続

 この特例を受ける旨記載した確定申告をすることが必要です。
 確定申告書には、次の書類を添付してください。

  1. (1) 保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書
  2. (2) 保証債務の事実がわかる書類
  3. (3) 上記2の(3)の事実すなわち、求償権が行使不能であるということを証する書類

(所法64、所令180、所基通64-1、64-2の2、64-4)

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出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3220.htm)