事業主がしなければならない源泉徴収
[平成31年4月1日現在法令等]
1 源泉徴収制度
所得税法は、特定の所得の支払の際に支払者が所得税を徴収して納付する源泉徴収制度を採っています。
所得税を源泉徴収して国に納める義務のある人を源泉徴収義務者といいます。
源泉徴収する必要のある特定の所得には、給与や税理士報酬などの所得があります。
2 給与支払事務所等の開設届出書
事業主が、使用人に給与を支払うことになったとき又は青色事業専従者給与を支払うことになったときには、届出が必要です。
まず、給与支払事務所等の開設届出書を、開設などをした日から1か月以内に提出しなければなりません。この届出書の提出先は、給与の支払事務を取り扱う事務所等の所在地を所轄する税務署長です。
なお、既に提出した個人事業の開業届に給料の支払を行っている旨の記載をしている場合には、この届出書を提出しなくてもよいことになっています。
3 源泉徴収する税額の求め方
賞与以外の給料や賃金などを支払う際に源泉徴収をする税額は「給与所得の源泉徴収税額表」によって求めます。
平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に生ずる所得については、源泉所得税を徴収する際に、源泉徴収すべき所得税の額に2.1%の税率を乗じて計算した復興特別所得税を併せて徴収し、源泉所得税と併せて納付しなければならないこととされていますから、平成25年分以降の「源泉徴収税額表」の税額は、復興特別所得税相当額が含まれています。
この税額表には、月額表と日額表とがあります。
給与の支給区分に応じて使用する税額表が決められ、さらに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下「扶養控除等申告書」といいます。)の提出の有無に応じて税額表の適用する欄が違います。
例えば、給料が月払いで「扶養控除等申告書」を事業主に提出している人の場合は、月額表の甲欄を適用して源泉徴収税額を求めます。提出していない人の場合は月額表の乙欄を適用することになります。
なお、賞与に対する源泉徴収税額は、通常、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使って求めますが、月額表を使って求める場合もあります。
4 源泉徴収した所得税及び復興特別所得税の納付
源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、給与を支払った月の翌月10日までに納付書を添えて国に納付します。
納付書の記載に当たっては、住所、氏名や税務署から通知された整理番号などの記入漏れがないようにしてください。
なお、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を納付する際には、これらの金額を区分することなく、その所得税及び復興特別所得税の合計額を納付書に記載して納付します。
給与の支給人員が常時9人以下のときは、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税の納期が毎月ではなく、7月と翌年の1月の年2回にまとめられる特例があります。この特例は、給与や退職手当、税理士などの報酬・料金について源泉徴収した所得税及び復興特別所得税に限られています。
この方法によって納めたい場合は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出してください。
この申請書の提出先は、給与の支払事務を取り扱う事務所等の所在地を所轄する税務署長です。
5 その他
「扶養控除等申告書」を提出し、しかも、給与等の金額が2,000万円以下の人については、その年の最後の給与等の支払をする際に年末調整が必要です。
源泉徴収するために必要な「源泉徴収税額表」「扶養控除等申告書」「源泉徴収簿」「年末調整のしかた」「源泉徴収のあらまし」などは、税務署に用意されています。
(所法6、183、185、186、190、194、204、216、217、229、230、別表2~4、復興財確法28)
出典:国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2110.htm)