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じわじわ広がる「週休3日制」。日本の企業に定着するか?

【転載元】
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戦後日本の社会人は、毎週日曜日だけが休みの週休1日制。土曜日はお昼まで仕事をする「半ドン」が一般的だった。戦争で焦土となった日本を復興させ、新しい社会の礎を築くために、大人たちはとにかく働きに働いたわけだ。

そんな日本で、いち早く週休2日制を取り入れた会社は、松下電器産業(現・パナソニック)だという。1965年のことで、日本はまだ高度成長期のただ中にいた時代だ。その週休2日制が一般企業に広がったのが80年代以降。90年代の初めころには、官公庁や学校、中小企業でも完全に実施されるようになった。日本社会にようやく余裕が生まれた時期といえるだろう。

昭和に生まれた週休2日制が平成に入って完全に定着し、いま令和の時代に入って「週休3日制」がじわじわと広がってきているという。働き方改革が叫ばれる昨今、テレワークや副業解禁など、さまざまなワークスタイルが生み出されているが、週休3日制はサラリーマンにとって最も身近で、影響力が大きい改革となるのではないだろうか。

──そんな週休3日制の狙いやメリット・デメリットについて調べてみた。

週休3日制、導入企業の狙いとは

今、多くの業界で人手不足が大きな問題となっている。そのために休日を返上し、長時間労働を強いられている人もたくさんいるだろう。つまり、「社員を休ませている場合じゃない!」というのが、企業側の偽らざる本音だろう。

「週休3日制」を導入すればますます現場は人手が不足し、会社が立ち行かなくなってしまうのではないかと懸念する人も多くいるに違いない。それでも週休3日制を導入する企業には、どのような狙いがあるのだろうか。

【狙い1】職場の魅力向上
人手不足がとりわけ激しいのは、運送業やサービス業だ。それらの業界では人材確保のために常に採用に力を入れるが、一方で現場のハードさから離職も絶えない。つまり大量に採用しても大量に辞めていくために、人手不足の問題は常に解決されないままなのだ。

そんな仕事現場を少しでも居心地のよいものにし、離職率を下げようというのが週休3日制のひとつの狙い。職場の魅力を、休日を増やすことで高めていこうというわけだ。

【狙い2】会社のイノベーション
週休3日制は、休日を2日から単に1日増やせばいいというものではない。現状のまま休みだけ1日増やせば、すぐに会社全体の業務が立ち行かなくなるだろう。休日を1日増やすためには会社全体のシステムを改革し、業務の効率化を図ることが必要だ。

業務オペレーションの見直し、給与体系の見直し、人材確保の方法の見直し、対外的なPRなど、会社のすべての面のイノベーションを実施しなければ成功しない。常に人手不足で、毎日さまざまなトラブルに見舞われているような職場こそ大きな改革が必要で、週休3日制はその象徴的な要素となる。

【狙い3】社員の質の向上
週休3日になることで、社員はこれまでより1日多く自由な時間を持つことができる。自由に使える時間が増えることを企業側としては、業務に役立つ資格取得の勉強をしたり、本を読んだり、あるいは現場を離れて初めて気づくようなアイデアを考えたり……と、社員が自己研鑽する時間に使ってほしいという狙いがあるだろう。

また、現在は副業を認める企業も増えてきていることから、休日を副業に当てることに企業側の配慮があるようにも思える。給与を大きく上げることができない現状が続く中、社員が休日に副業をすることで本業にもいい影響が出ることを狙っているとも考えられる。

週休3日制を導入した企業の実例は

いち早く週休3日制を取り入れたのは、意外にも佐川急便だ。同社は東京都と山梨県で、週休3日制の正社員セールスドライバーを採用。育児や介護などで週休2日では難しいという人も、週休2日制の正社員とほぼ同水準の給与で働くことができる。

ただし同社の場合、原則として1日8時間以内と決まっている労働時間を1日平均10時間とし、週40時間を超えない範囲で延長できる「変形労働時間制」を活用している。

また、日本マイクロソフトは、今年8月に限って毎週金曜日を休みにする週休3日制を導入した。8月の給与はそのまま、収益目標も現状を維持。これはまだ実験的な段階のようだが、社員が増えた休みを家族と過ごしたり、資格取得などの目標に向かって使ったりすれば、本業にもプラスになるとしている。

他にも電通、yahoo、NECなど、大手企業に週休3日制を導入する企業がじわじわと広がっている。週休3日制が、令和の時代のスタンダードになっていくのかもしれない。

週休3日制のメリット・デメリットとは

週休3日制にはどのようなメリットとデメリットがあるだろうか。まとめてみよう。

●週休3日制のメリット
1.家族との時間を増やせたり、自己研鑽を積んだり、副業に励んだりでき、プライベートの時間の充実につながる。
2.休日が増加することで、通勤の負担を減少させられる。
3.休養をたっぷりとれ、生産性向上につながる。

●週休3日制のデメリット
1.労働時間の減少に伴い、収入が減少する可能性がある。
2.休日が増加することで、出勤日1日の労働時間が増加する可能性がある。
3.休日が増加することで、社員間のコミュニケーションが不足する可能性がある。

──週休3日制は、働く側にとってはとても魅力的な制度だ。働き方改革が進む日本社会において、注目されるイノベーションとなるだろう。しかし、作業をどのように効率化するか、休日となった時間をどのように活用するのかなど、労使にとって課題は多い。週休3日制を成功させるためには、労使がともに大胆な意識改革をしなければならないことは確かだろう。

≪記事作成ライター:三浦靖史≫ 
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、歴史、観光、時事問題など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車。

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