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シニア世代に大人気! キャンピングカー市場がスゴイ!

【転載元】
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暖かくなってくると、どこかに出かけたくなるのは人間の性(さが)。1ヵ月後に迫ったゴールデンウィークは10連休にもなるというから、長期旅行の計画を立てている人も少なくないだろう。

もちろん「キャンプに行きたい!」と考えている人も多いはず。昨今、長期休暇中はどこのキャンプ場も大賑わいだ。
そんなアウトドア人気も相まって、キャンピングカー市場がこれまでになく活況だという。気ままにどこででも車中泊ができるキャンピングカーは、キャンパーたちの憧れ。しかし、以前ならまさに“高嶺の花”で、一部のお金持ちか好事家の専売特許だったはずだ。
その裾野が大きく広がった要因は、いったいどのあたりにあるのだろうか。

今、第二次キャンプブームが到来!

今、第二次キャンプブームを迎えているという。
2013年ごろからキャンプ人口が増え続け、テントやシュラフ、バーベキューコンロなどのキャンプ用品の売れ行きは右肩上がりだ。今が第二次ブームだとすれば第一次はいつかというと、1990年~1996年を指す。この頃のキャンプ人口は、約1580万人と言われている。

当時はバブル崩壊直後。都会の喧騒に疲れた人たちが緑の中でのんびり過ごしたいと、休日に自然と触れ合うようになったのだろう。
それからおよそ20年の時を経て、当時、親にキャンプに連れて行ってもらった子どもが親世代となり、あの楽しさを再び味わおうと現在の第二次ブームを支えている。

そしてもうひとつ、今のブームを支えている世代がある。それがシニア世代。つまり、第一次キャンプブームを盛り上げた当の本人たちということになる。
すでに子どもは独立してリタイアした人も多く、セカンドライフの楽しみにキャンプを選んでいるというわけだ。

シニア世代の今のキャンプは、第一次ブームの時とひと味違う。
今はキャンピングカーで、妻と二人、あるいは長年連れ添ったペットも連れて、のんびり気ままに、行く先々の泊まりたい場所に泊まる……。宿の予約やキャンセルなどの煩わしさも不要で、道の駅などで当地の名産品などを買い、自炊して楽しむ。そんな旅のスタイルが人気となっているのだ。

キャンピングカー購入者はシニア世代が中心


日本RV協会(JRVA)の調査結果を紹介しよう。
上のグラフでもわかるように、2017年の国内キャンピンカー保有台数は、国産キャンピングカーと輸入キャンピングカーの販売数、輸入数を総合して約10万6200台となった。2005年のキャンピングカー保有台数は約5万台だったので、干支がひとまわりする間に倍増したことになる。

キャンピングカーユーザーの年齢構成を見ると、最も多いのは60歳代で40.8%。加えて70歳代が9.7%で、前回の調査よりもそれぞれ、2ポイント、3.9ポイント増加している。

キャンピングカー購入の目的では、
●「夫婦2人で旅行を楽しむため」が54.5%と、半数以上を占めた。
●次いで「ペット連れの旅行に最適と判断したため」が39.7%。
●逆に「子どもたちとキャンプや旅行を楽しむ」ことを目的とした人は、3.8ポイントダウンの19.7%に減少した。

まさに子育てを終えた60代以上のシニア世代が、夫婦2人でキャンピングカーを使って旅に出るスタイル。また、キャンピングカーをペット連れの旅行に利用するユーザーが増えていることも、このデータからわかる。

大量生産による価格下落が人気に拍車

2018年10月、東京・台場で開催された「お台場キャンピングカーフェア」には、2日間で1万8000人の来場者があったが、これは過去5年間で最高の人出だった。それほどキャンピングカーに注目が集まっているのだ。

やはり日本RV協会の調査によると、キャンピングカー購入金額は、オプションや諸経費を入れて、400万円台が16.2%で最も多かった。2番目が500万円台で14.9%、3番目が300万円台で13.6%となった。

これまでは500万円台や600万円台が購入価格帯の中心だったが、それが下がってきているのだ。これはキャンピングカーの人気向上に伴って大量生産されるようになり、規格を整えるなどしてコストが削減された結果と考えられる。

その一方で、さまざまなユーザーのリクエストに応えられるようバリエーションも増えている。大量生産と同時に、多くのユーザーの好みにも応えられるようにもなっているわけで、相乗効果でキャンピングカーの人気が高まっているのだ。

2017年のキャンピングカー総売上合計金額は約424億円で、前年比16%増だ。2014年から毎年322億、357億、365億と増えてきており、過去最高の売上を更新し続けている。

退職金で400万円ほどのキャンピングカーを購入し、悠々自適な旅を楽しむ。そんなセカンドライフに憧れるサラリーマンが増加しているのだ。

訪日客はレンタルでキャンピングカーを利用

キャンピングカー市場が活況であることのもうひとつの理由に、レンタカーの利用も高まっていることが挙げられる。
レンタルのキャンピングカーは、もちろん日本人の利用者も増えているが、訪日する外国人観光客の利用者が増えているという。

パッケージツアーで日本の観光地をまわることを卒業した人たちが、4〜6人程度のグループでキャンピングカーを借りて、自由に観光するケースが増えているのだ。
旅行で最もかさむ経費は宿泊費だ。複数人でキャンピングカーを借りれば宿泊代の大きな節約になる。また、ツアーの日程や集合時間などを気にすることなく、ゆっくり観光できることが大きな魅力なのだ。

東京や京都など、有名な観光地はすでに堪能した。もっとディープな日本を楽しみたいという訪日客にとって、安く、自由に旅行できるキャンピングカーが大きな戦力となっているのだ。

日本人の旅のスタイルがさらに自由なっていく

再び日本RV協会の調査に戻ろう。
キャンピングカーを購入したことで、旅のスタイルがどのように変わったかというアンケートでは、
●「出発時間や目的地を気楽に決められるようになった」が81%(複数回答)で1位。
●「立ち寄り温泉や観光施設をめぐるのが楽になった」が51.3%で2位だった。
●「経済的な旅行が可能になった」「天候などをあまり気にしなくなった」がそれぞれ22.5%あった。

キャンプといいうと、テントを張って、バーベキューをして……という固定概念がある。自然の中で自由にのんびり過ごしたいと言いながら、一定のスタイルにどうしてもとらわれてしまいがちなのが日本人の習性だ。しかし、キャンピングカーはそんな固定概念から解放されることが大きな魅力。
キャンピングカーは、もはやキャンプのためのクルマではない。われわれの旅をもっともっと自由にしてくれる“どこでもドア”なのかもしれない。まだまだキャンピングカー市場の活況は続きそうだ。

≪記事作成ライター:三浦靖史≫ 
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、歴史、観光、時事問題など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車。

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