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“イチ”から学ぶ海外不動産投資(2)~失敗から学ぶ新興国投資~

【転載元】
日本クラウド証券株式会社
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前回、「イチから学ぶ不動産投資(1)~歴史にみる勝ち組とは~」でご紹介したように、2000年代の中国から火がつき、先進国のみならず新興国も含め、幅広い国々を対象とする投資として人気を集めている海外不動産投資。

経済成長率が安定的に上昇傾向にあり、人口増加などにより住宅需要が今後も見込めるマーケットが世界にはあり、2018年も海外不動産投資が注目されていくことは間違いなさそうです。しかし当然ながら、大成功を収めた人もいれば、失敗に終わった人もいます。
そこでASEAN諸国をはじめとする新興国投資に注目し、こうした国々での不動産投資には、どのような点に注意すべきなのか調べました。

経済成長と人口増が需要を生む

海外不動産投資とは、これから成長が期待される開発地などの物件に投資して、実際に値上がりしたところで売却することで利益を得る「キャピタルゲイン」、賃貸物件として貸し出すことで家賃収入を得る「インカムゲイン」を指します。

いずれにしても経済が安定的に成長しているとともに、消費拡大、国民所得増、人口増加、住宅価格や家賃収入の上昇……といった側面から高いリターンを得る可能性があるところをいち早く見つけることが、利益を得るための必要条件になります。

たとえば人気のフィリピンをみると、人口は1億人を突破。平均年齢は23歳と若く、国連中位推計によれば人口増加は2091年まで続くと予測されています。人口ボーナス期の入り口に入ったところで、実質GDP成長率も約6%で堅調に推移。経済成長と人口増による不動産需要が見込まれるうえ、1000万円前後の投資物件も多く、相対的に手の届きやすい価格帯が多いと言えます。
しかしいずれにしても、海外での不動産投資ゆえのリスクについて十分に理解して投資をすべきであることはいうまでもありせん。

一部地域では供給過剰も

たとえば、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、カンボジアなどのアジアの国々は、近年インフラも整備され、投資用マンションも多く建設されるようになりました。東京都心と同等程度の立地にあるコンドミニアム(高級マンション)でも、価格は約3分の1から4分の1と相対的に安価であり、心動かされる物件も多く存在します。

しかし、多くの投資家が殺到すれば、需要と供給のバランスが崩れるのは当然のことであり、地域によっては供給過剰で空室が目立つようになっています。
また、マレーシアの南部ジョホールバルで「イスカンダル計画」と言われる大規模な開発が進められ、経済成長率も確実に上昇している一方、首都クアラルンプールでは不動産価格が高騰し、一部は住民の手の届かないものになりつつあります。いくら成長が見込める地域とはいえ、買い手や借り手がつかなければ、「宝の持ち腐れ」になることは言うまでもありません。

売却という最終目標を達成するために、どのような環境的リスクが存在しうるのか、自分の皮膚感覚で確認し、情報収集を怠らないことは重要なことと言えるでしょう。

管理、運営、売却は誰に任すのか

海外不動産投資では、情報収集も含めどのような会社とつき合うかがとても大事になります。失敗する要因として、
●購入後の管理や運営を誰に任せたらいいのか
●売却までの道筋をどのように立てたらいいのか……が分からなくなってしまうことにあります。

日本の場合、物件購入の際に大手デベロッパーに任せておけば、購入後もきめこまやかなメンテナンスや手厚いフォローを行ってくれる印象があります。しかしながら新興国の場合、不動産仲介会社は売買契約を結んだら引き渡しまでで、その後のアフターフォローにはタッチしないケースが多く見られます。また仲介会社がメンテナンス等の力になってくれたとしても、担当者が代わってしまった場合、対応があいまいになってしまうケースも。

さらに東南アジアには、工事が着手される前に物件を購入できる「プレビルド(Pre-build)」と言われる前払い方式があり、その方法を採用すれば割安で物件を購入することができます。しかし、前払い金を支払ったにもかかわらず、計画が途中で破綻してしまい、お金も戻ってこないというトラブルも聞かれます。

高利回りの安定収益を得るために

信頼できる不動産仲介会社を選ぶ……。
これはある意味、当たり前のことかもしれませんが、海外での不動産投資でリターンを得る可能性を高めるためには、さまざまなリスクを想定し、それらを回避するための実行力のあるエージェントを見つけることは必要不可欠です。

こうした点を考慮してもなお、海外不動産投資が魅力なのは、日本の高度経済成長期のような成長を見せる国で、立地や時期、物件選びなどを見極めて投資を実行したことで、確実にキャピタルゲインを得た成功者がいるからでしょう。

物件購入を考える際には安易に飛びつかず、おつき合いする会社がどこまで確実に対応してくれるかを見定め、その信頼性について時間をかけてきちんと確認していくことが必要です。また、仲介会社任せにすることなく、自分自身でその国について調査し、情報収集を怠らない……。こうした姿勢がリスク軽減につながることは間違いない、といえるでしょう。

≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫ 
石川県金沢市在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。

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