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ユニーク+新ジャンルの「少額短期(ミニ)保険」。その特長と上手な活用法

【転載元】
日本クラウド証券株式会社
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最近、ユニークな保険が増えたと思いませんか。

ペットのための保険、持病があっても入れる保険、80歳を超えても入れる保険、葬儀に備えるための保険など、テレビを見ているとこれらの保険のCMが毎日のように流れています。

実はこれらの保険は「少額短期保険」といい、私たちがよく知る生命保険や損害保険とは違うメリットがある新しいジャンルの保険であり、近年、業績を大きく伸ばしていることでも注目を集めているのです。
そこで今回は、少額短期保険とはいったいどんなものなのか、具体的にはどんな保険があるのか、そして上手な利用法についてご紹介しましょう。

保険業法改正で生まれた、第三の保険会社


少額短期保険は、その名の通り「少額」な保険金額で、保険期間が「短期」の保険のこと。最近では「ミニ保険」などとも呼ばれています。リーズナブルな保険料で加入でき、コンビニやネットで手軽に契約できる点から、年々契約者数を伸ばしている保険なのです。

少額短期保険は、2006年4月に行われた保険業法改正によって、新タイプの保険として誕生しました。この改正は、特定職種や地域の人を対象とした「共済組合」の中でも、その根拠となる法律がない「無認可共済」が増加したうえに、契約者が被害を受けるケースが増えたことに起因します。
ここでいう被害とは、事業規模・形態の多様化が進み、実施団体が増加するに伴って、一部団体において勧誘や給付をめぐる契約者とのトラブル等が顕在化したことになりますが、こうした背景から「少額短期保険業者の監督」と「保険契約者等の保護を図る」という二つの目的によって改正された経緯があります。

生保41社、損保52社、少額短期保険会社97業者

結果として、既存の生命保険会社、損害保険会社とは異なる第三の保険会社「少額短期保険業者(少額短期保険会社)」が誕生したわけです。

少額短期保険は、「少額短期保険会社(業者)」が扱うことになりますが、生保や損保と異なる少額短期保険会社に課される規制は……、
●最低資本金が1000万円以上であること
●営業保証金の供託が、前事業年度の正味収入保険料×5%+1000万円
●原則専業であること
●年間収受保険料が50億円以下であること……など

金融庁が定めた厳しい基準をクリアし、さらに認可を受けなければ、少額短期保険商品の開発・引き受けを行うことはできません。2018年4月時点では生命保険会社41社、損害保険会社52社となっていますが、少額短期保険会社は毎年新規設立によって増加し続け、2018年5月時点で全国に97業者となっています。

顧客のニーズに合わせた保険商品が多数

では、少額短期保険はどのような特長があるのかを見ていきましょう。以下が、少額短期保険の主な特長です。

【1.保険金額に上限がある】
少額短期保険では、保険の区分に応じて1被保険者について引き受ける保険金額の上限が設けられています(表参照)。また、複数の保険金額のトータルも、1被保険者について1000万円が上限となります。


【2.保険期間は1〜2年】
少額短期保険の保険期間は、以下のように定められています。
●生命保険や医療保険……… 1年
●損害保険…………………… 2年

【3.生保・損保の併売ができる】
生命保険会社・損害保険会社では、同一の会社で生命保険と損害保険の併売ができません。しかし、少額短期保険会社は、保険金額・保険期間に制限はあるものの、生命保険と損害保険の併売が可能。このため、顧客のニーズや生活環境の変化にあわせ、バラエティに富んだきめこまかい保険商品を開発することが可能といえます。

少額短期保険の商品は、4種類に大別される

現在、少額短期保険会社が販売している商品は、表の4つに大別されます(表参照)。

4つのタイプ別商品の区分けがわかったところで、次はタイプ別に、具体的な少額短期保険をご紹介していきましょう。

【1.家財保険】トラブル・被害回避のために家主さんは必加入!?

●無縁社会のお守り(アイアル少額短期保険)
賃貸住宅内で入居者の自殺、孤独死、殺人事件などが発生した場合に、原状回復費用や事故・事件後の空室家賃、家賃値下げなどの被害を補償する家主向け保険

●テナント総合保険(ジャパン少額短期保険)
テナント入居者の業務用の什器・備品類と、家主や第三者への賠償責任を補償する保険。盗難や火災で事務所の備品が被害を受けた場合、水漏れで入居物件に被害を与えたような場合に補償される

【2.生命・医療保険】従来の保険の概念を覆す?

●ABCおかあさん保険(ABD少額短期保険)
女性のすべての病気・ケガによる入院を保障する医療保険。妊娠19週までに申し込めば、その妊娠における帝王切開の手術も保障

●日本で生活する外国人のための医療保険・生命保険(ビバビーダメディカルライフ)
日本で生活している外国人、日本に仕事や旅行などで滞在している外国人が加入できる医療・生命保険

●医師が考えたがんシンプルながん保険(医師が考えた少額短期保険)
がんと診断された時点で80万円、万が一、がんで死亡したら300万円とシンプルな保障。最近増えている通院治療にも対応している

●SBIいきいき少短の医療保険(SBIいきいき少額短期保険)
満20歳以上84歳までの人が申し込め、毎年更新することで100歳まで保障を継続できる医療保険。しかも保険料はリーズナブル

【3.ペット保険】ペットを飼っている人は加入マスト?

●いぬとねこの保険(日本ペットプラス少額短期保険)
犬と猫の保険。通院・入院・手術のプラチナプラン、通院のゴールドプランなどのプランがあり、日額制限・回数制限・免責金額なしが特長

●プリズムコール(日本アニマル倶楽部)
犬、猫はもちろん、小動物、鳥、爬虫類など、多様なペットもOK。通院・入院・手術などの費用が補償(保障)される

【4.費用・その他保険】弁護士、捜索・救助、チケット費用にも!

●弁護士保険Mikata(プリベント少額短期保険)
弁護士などへの相談・依頼時に発生した費用を補償

●レスキュー費用保険(日本費用補償少額短期保険)
登山やアウトドアスポーツなど、日本国内での野外活動中(海の活動を除く)に遭難事故に遭った際、捜索・救助にかかった費用が補償される

●チケットガード(AWPチケットガード少額短期保険)
急な病気、ケガ、家族の入院、交通機関の遅延、突然の出張などで、止むを得ずイベントの観覧・参加ができなかった場合にチケット代金が補償される

リスクを理解したうえで、ライフスタイルに合った保険を選ぼう

少額短期保険の最大のメリットは、手頃な保険料で補償、保障を受けられる点にありますが、掛け金とのバランスも大切です。また、これまでの生命保険会社では加入することができなかったような人、例えば持病や障がいを有する人や外国人なども契約できる保険が多い点も、少額短期保険の大きな特長です。

バラエティに富んだ保険商品が用意されているので、年齢や家族構成、趣味など、ライフスタイルに応じて自分にふさわしい商品を選びたいものですが、少額短期保険のデメリットは生命保険料控除の対象にならない点。さらには、生命保険や損害保険のように、会社破綻のリスクに備え、契約者を保護するいわゆる「保険契約者保護機構」がありません。

当然ながら、加入を検討する際は万が一を想定して、契約する会社(業者)の財務状況や実績をチェックしたほうが安全・安心といえるでしょう。

≪記事作成ライター:三浦靖史≫
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、エンタメ系など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車などなど。新潟県長岡市在住。

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