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【香港】取引所前CEO、中小支援で店頭市場に参画[金融](2021/04/14)

香港取引所(HKEX)の前最高経営責任者(CEO)、李小加(リチャード・リー)氏が昨年末の退任後、地場の店頭取引(OTC)市場運営会社「牛碼新市(NUMAEX、ヌマエックス)」に正式に加わったことが13日、複数の地元メディアの報道で分かった。

牛碼の公式ウェブサイトによると、設立は2020年。英語のNUMAはNew Market(ニューマーケット)の略称でもあるという。フィンテック(ITを活用した金融サービス)投資のプラットフォームという位置付けで、店頭市場を通じて金融商品の販売や上場、取引、清算(クリアリング)などのサービスを行う。成長の見込める中国本土の中小企業のほか、専門サービスや科学技術分野に携わるクリエーターの権益にグローバル投資家の資金を呼び込む。

「牛碼証(ヌマ・サーティフィケーション)」と名付けた業務では、投資家向けに中小企業の格付けやデータ提供などを行う。また、「収入分成碼(レベニュー・コントラクト)」と称する業務では、投資家が中小企業や個人と期限付きで投資契約を交わした後、投資家が売り上げに連動して分配額を得る仕組みを取る。ユニコーン(企業価値が10億米ドル=約1,100億円以上の未上場企業)の資金調達支援も重要な狙いだ。「中国の産業トップらと緊密な戦略的パートナーシップ関係を構築」しているとされるが、詳細は明らかにされていない。

3日付蘋果日報によると、香港の投資会社、華科資本(ウェルスキング・インベストメント、旧東英金融)前会長の張高波氏が牛碼の創業者で現在役員も務めるが、他は不明。

李氏は香港取引所退任時にリタイアはせず、同取引所がある香港島・中環(セントラル)を離れることはないとしつつ、起業する意向を示していた。

牛碼のウェブサイトによると、同社のオフィスは中環・交易広場(エクスチェンジスクエア)2期に入居。香港取引所と同じビルだ。

李氏は退任後、香港の国際金融センターとしての地位を生かし、グローバルなマネーを本土中小企業に呼び込む構想を掲げていた。信報によると、同氏は先に、外電の取材に対し、今秋に正式開業するとの見通しを明かしている。

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