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【タイ】上期の新車販売37%減、通年は66万台を予想[車両](2020/07/24)

タイ国トヨタ自動車(TMT)は23日、2020年上半期(1~6月)のタイの新車販売台数が前年同期比37.3%減の32万8,604台だったと発表した。新型コロナウイルス感染症の流行拡大で、3月中旬以降に需要が大きく落ち込んだ。3~5月には各メーカーがタイ国内の工場の稼働を一時休止する事態となった。20年通年の販売台数の見通しは、年初に発表した94万台(前年比6.7%減)から66万台(同34.5%減)に引き下げた。

TMTの菅田道信社長は23日に発表した声明で、「自動車産業に関する限り、タイは他の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国に比べれば状況はそこまで悪くはない。需要回復も他国に比べて早いとみられる」とコメント。今月26日まで開催されている「第41回バンコク国際モーターショー」が成功裏に進んでいることを引き合いに、タイがアジア市場の回復のけん引役になるとの見解を示した。

1~6月の販売を車種別に見ると、乗用車が前年同期比42.0%減の11万9,716台、商用車が34.2%減の20万8,888台。商用車のうち、1トンピックアップトラック(乗用ピックアップ=PPV=含む)は35.6%減の16万6,409台、1トンピックのみ(ピュアピック)は33.7%減の14万9,432台だった。

メーカー別では、トヨタ自動車が45.1%減の9万4,222台(シェア28.7%)で首位。いすゞ自動車が14.7%減の7万6,054台(同23.1%)、ホンダが36.1%減の4万1,326台(12.6%)で続いた。

市場別のトップ3は、乗用車がホンダ、トヨタ、日産自動車、商用車がいすゞ、トヨタ、三菱自動車、1トンピックアップトラック(PPV含む)とピュアピックがいすゞ、トヨタ、三菱だった。

6月の新車販売台数は、前年同月比32.6%減の5万8,013台。内訳は乗用車が41.3%減の2万768台、商用車が26.4%減の3万7,245台、1トンピックアップは26.7%減の2万9,576台、ピュアピックは25.0%減の2万6,584台だった。

■トヨタ、新型SUVなどで巻き返し

TMTの上半期のシェアは28.7%と前年同期から4.0ポイント低下した。通年の販売台数は前年比34%減の22万台、シェアは33.3%を目指す。

菅田社長は、新型コロナによる新常態の下、タイで世界初公開した新型コンパクトスポーツタイプ多目的車(SUV)「カローラクロス」、1トンピックアップトラック「ハイラックス・レボ」、SUV「フォーチュナー」などの新車ラインアップと、運転挙動反映型の自動車保険「Toyota Care Pay How You Drive (PHYD)」によって、下半期に巻き返しを図る構えだ。

タイ国トヨタ自動車(TMT)の菅田社長(同社提供)

タイ国トヨタ自動車(TMT)の菅田社長(同社提供)

TMTの上半期の完成車(CBU)輸出台数は、前年同期比30.0%減の9万7,000台だった。オセアニアと一部のアジア諸国で需要に持ち直しがみられるとして、通年では27.0%減の19万4,000台と予測している。通年の生産台数の見通しは、29%減の40万8,000台としている。

※関連記事:2020年6月のタイの新車販売台数(表)

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