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【マレーシア】小売業売上高、コロナ禍で1Qは11.4%減[商業](2020/07/14)

マレーシアの市場調査会社リテール・グループ・マレーシア(RGM)は13日、2020年第1四半期(1~3月)の小売業界の売上高が前年同期比11.4%減だったと発表した。今年4月時点で予測した18.8%減より落ち込み幅は小さかったものの、前期(19年10~12月)の3.8%増からは大幅に下落した。新型コロナウイルス感染症を防ぐための活動制限令などにより、業界全体が打撃を受けた。

RGMは、マレーシア小売業協会(MRA)加盟業者の一部を対象に実施した調査に基づき、業界の売上高を算出した。

第1四半期の小売業の売上高の落ち込みは、09年第3四半期に次いで、最悪の水準となった。20年第1四半期の国内総生産(GDP、0.7%増)、インフレ率(0.9%)、個人消費(6.7%増)などの経済指標と比べて、不振が目立つ結果となった。

小売業の売上高を店舗形態別に見ると、「ファッション・服飾雑貨」が30.5%減と最も落ち込んだ。子ども向け用品や中古品、工芸品といった「その他」が17.9%減で続いた。

「デパート」は観光客の減少などで17.5%減となった。「スーパーマーケット付きデパート」は、スーパーの食品部門が打撃を和らげ8.5%減だった。「薬局・パーソナルケア」は3.9%減、「スーパーマーケット・ハイパーマーケット」は3.0%減だった。

■通年では8.7%減、回復は年末以降

20年第2四半期(4~6月)の見通しについては、引き続き新型コロナの影響が予想されることから、4月時点の予測から19.5ポイント引き下げ、28.8%減と予測した。第3四半期は3.5%減、第4四半期は1.5%減と予測。通年では、4月時点の5.5%減の予測から8.7%減に下方修正した。

3月18日に敷かれた活動制限令は、5月4日から「条件付き」に、6月10日からは「回復期」へと、段階的に緩和された。これに伴い、多くの小売店やショッピングセンターが標準作業手順書(SOP)の順守を前提に営業を再開。ただ、社会的距離を確保するため、人数制限を設けて営業する店舗もある。

RGMは「活動制限令が今年10月以前に完全解除されれば、小売業界は回復し始めるだろう」と分析。本格的回復は年末以降になるとの見通しを示した。

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