【台湾】永豊余など回帰投資5件を承認、計73億元[経済](2019/09/16)
台湾経済部(経済産業省)の投資台湾事務所は11日、台湾への回帰投資の申請5件を承認した。総投資額は約73億台湾元(約250億円)。このうち、製紙大手の永豊余集団傘下で段ボールなど工業用紙を手掛ける永豊余工業用紙は14億元を投じて、台湾の生産ラインのスマート化を図る。
今回承認された回帰投資案件は、永豊余工業用紙のほか、◇車載カメラ用レンズなど光学製品メーカーの合盈光電科技◇LED製品を手掛ける聯嘉光電(EOI)◇工作機械大手、友嘉実業集団(フェアフレンド)傘下の台湾麗偉電脳機械(リードウェル)◇自動車用ファスナー製造の恒耀工業――の計5社で、計944人の就業機会が創出される見通し。
永豊余工業用紙は、中国の製紙業への環境規制強化や、米中貿易摩擦の影響による顧客のサプライチェーン変更の動きを受けて、台湾の生産能力を増強する考え。
合盈光電科技は、20億元を投じて台中科学園区に新工場を建設する。映像解析システムのほか、人工知能(AI)を使ったカメラ製品向け事業を強化する。
聯嘉光電は、新竹科学園区(竹科)に生産施設と研究開発(R&D)センターを設ける。北米市場でのシェア引き上げと米中摩擦のリスク回避が目的で、車載用LEDモジュールや高輝度・高効率のLEDなどを生産する。
麗偉電脳は、5億元を投じて中部科学工業園区(中科)后里七星園区内にスマート工場を建設する。顧客の70%が米中摩擦による高関税の影響を受けているという。顧客の生産ニーズに対応するのが目的。
恒耀工業は、台南市に2工場を設ける。鋼材加工やさび防止など前工程と、表面処理と熱処理の後工程に対する工場で、投資額は10億元。
回帰投資を希望する台湾企業を支援するための策「歓迎台商回台投資行動方案」が施行された今年1月からの累計投資額は5,841億元を超え、計5万1,494人の就業機会が創出される見通し。