【フィリピン】ケソン市、認可手続き電子化で3団体と覚書[経済](2019/04/17)
マニラ首都圏ケソン市は16日、公益事業2社と土地登記庁(LRA)の計3団体と、ビジネス環境の改善のための提携に関する覚書を交わした。世界銀行によるビジネス環境ランキングのフィリピンの順位上昇に向け、事業許認可の電子化を率先して実現させる方針だ。ぜい弱な公共インフラの強化にもつなげていく。
覚書を交わした企業は、国内の配電最大手マニラ電力(メラルコ)と、首都圏で上下水道事業を手掛けるマイニラッド・ウオーター・サービシズ(MWSI)。両社とそれぞれ、電柱の設置と水処理施設の建設のための掘削許可の申請手続きを簡素化することで合意した。
覚書を結んだことにより、メラルコとMWSIは、ケソン市当局に掘削許可の必要書類を電子メールで申請。正式な許可手続きが遅れた場合も、申請から7営業日が経過し、かつ手数料などを納付することで自動承認されるようになった。
■手続き迅速化に手応え
覚書の署名式に立ち会ったロペス貿易産業相は「事業認可の手続きを迅速化するビジネス環境改善法(共和国法第11032号)が2018年に成立したことで、ケソン市をはじめとする多くの自治体が諸手続きの電子化に取り組んでいる」と指摘した。従来は3日かかった市長の認可を、30分で発行できるようにした自治体もあるという。ただ、5割以上の自治体はまだオフラインでの受け付けが主流で、改善の余地が大きいとも話した。
ロペス氏は「世銀のビジネス環境ランキングで、次回は90~99位を狙いたい」と語った。昨年10月末に発表された19年版では、フィリピンは前年から11ランク後退の190カ国・地域中124位だった。
同ランキングでは、建設の許認可手続きや電力事情、起業、不動産登記など10項目を指数化している。ケソン市は16日、LRAの窓口設置に関する覚書も交わした。