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【マレーシア】ギフティ、地場外食と提携[サービス](2019/03/07)

オンライン上で商品と交換できるギフトチケットを贈るサービス(eギフト)を手掛けるギフティ(東京都品川区)は6日、飲料スタンドチェーン店「ティーライブ」を運営する地場外食業者LOOBホールディングスと提携した。年内にギフトバウチャーの提携先を10ブランドまで拡大し、対象となる店舗数を3,000店規模に拡大させる。デジタルネイティブな20~30代をターゲットに、カジュアルなギフト文化の定着を狙う。

「ティーライブ」の店頭でバウチャーを提示する太田CEO=6日、クアラルンプール(NNA撮影)

「ティーライブ」の店頭でバウチャーを提示する太田CEO=6日、クアラルンプール(NNA撮影)

ギフティは昨年9月、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の拠点として完全子会社ギフティ・マレーシアを設立。コングロマリット(複合企業)テクスケム・リソーシズ(TRB)が展開する日本食レストラン「スシキン(すし金)」134店舗で利用できるeギフトを既に展開している。

ティーライブとの提携は国内2例目。ティーライブのウェブサイトからギフトバウチャーを入手し、贈りたい相手に通話アプリのメッセージなどを通じて送信する仕組みだ。受け手は国内200以上の店舗でバウチャーを表示すると商品を受け取ることができる。

■民族ごとの祭事に期待

日本のeギフト市場は、ギフティが米コーヒーチェーン大手スターバックスと提携した2013年頃から盛り上がりを見せ始めた。現在は50以上のブランドと提携しており、国内4万2,000店で利用できる。会員数は110万人を超え、利用者の多くは20~30代で、女性が7割を占める。平均単価は500~600円。太田睦(おおた・むつみ)最高経営責任者(CEO)は「誕生日のお祝いや、相手に『ありがとう』や『お疲れ様』と伝えたい場面で活用されている」と説明。20年のeギフト市場の規模は、前年比27%増の1,110億円に拡大すると見込まれる。金券市場が年間9,000億円と試算されることから、金券・バウチャー市場の1割強を占めることになる。

日本ではバレンタインデーやホワイトデー、クリスマス時期に取引件数が増加するが、マレーシアでは各民族の祭事シーズンの利用増加を見込む。太田CEOは「記念日の数は日本よりも多い」と話し、事業拡大に期待を示す。

■ギフト総額500万リンギが目標

19年の目標は提携ブランドの拡大に加えて、ギフト総額500万リンギ(約1億3,700万円)の達成だ。提携先の選定で最も重視するのが店舗数。国内に200~300店舗のネットワークを持つ飲食(F&B)チェーンやコンビニ、映画館を中心に提携を持ち掛け、3,000店規模の体制を確立する。日本と同様、ターゲット層はインターネットを使いこなす20~30代の働く世代。平均単価は6.5リンギ程度になると予測する。太田CEOは「現在3ブランドと交渉を進めており、うち2社とは提携が実現するだろう」と自信を示した。

ギフティのビジネスモデルは「ギフトが贈られた時点」または「バウチャーが利用された時点」でブランド側から手数料を得る仕組みだ。ブランド側の最大のメリットは、自発的には来店しない顧客との接点が生まれること。送信されたバウチャーの利用率は70~80%で推移している。加えて、バウチャーを利用すると注文時に1品追加するなど、贈られた金額以上に利用する顧客が50~60%に達し、売上高の底上げにつながる。

LOOBホールディングスのブライアン・ルー最高経営責任者(CEO)は、「ティーライブの顧客はある程度の所得がある若年層が中心だ。ギフティと共通する部分が多い」と説明し、相乗効果に期待しているとコメントした。

ASEAN域内でeギフト事業を手掛けているのは「ギフティとベトナムの地場スタートアップ」(太田CEO)に限られており、今後、少額のギフトを贈るという新たな文化を創出し、定着させる。現在、ASEAN域内で新たな進出先を模索しており、今年10~12月(第4四半期)には展開する考え。太田CEOはタイとインドネシアを有力視し、夏ごろには現地パートナーと交渉を開始するという。

国内2例目の提携を発表したギフティの太田CEO(左)とLOOBホールディングスのブライアンCEO=6日、クアラルンプール(NNA撮影)

国内2例目の提携を発表したギフティの太田CEO(左)とLOOBホールディングスのブライアンCEO=6日、クアラルンプール(NNA撮影)

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