【ミャンマー】最賃改定で自動化対応に需要[繊維](2018/12/10)

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ミャンマー最大都市ヤンゴンで6日、国際繊維・衣料産業展示会 (MTG)が開幕し、繊維産業向けの機械や技術、サービスを展開する国内外の約130社が出展した。ミャンマーでは今年初めて法定最低賃金の引き上げが行われ、人件費圧縮への要請が強まっている。会場には自動化システムや機能性の高いミシンの最新モデルなどが多数並んだ。日本からは、大手ミシンメーカーのJUKIなどがブースを構えた。

JUKIのブースで展示されたベルトループの自動縫製機に見入るミャンマーの政府、業界関係者=6日、ヤンゴン

JUKIのブースで展示されたベルトループの自動縫製機に見入るミャンマーの政府、業界関係者=6日、ヤンゴン

同展示会は今年で7回目で、9日まで開催される。130社がブースを構えた。国別で最も多かったのは中国で26社。香港の7社、台湾の13社をあわせると中華圏からの出展は46社に上り、多くが縫製用の機械を展示。ミャンマー市場への関心の高さをうかがわせた。

日本からは、JUKIが27種の工業ミシンや自動機を紹介したほか、民族衣装ロンジーの加工用刺繍機で市場参入するタジマグループ(愛知県春日井市)などがブースを構えた。

ミャンマーでは2016年に導入された最低賃金制度に基づき、今年初めて改定が行われた。新たに適用された賃金は日額4,800チャット(約350円)で、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内では最低水準にあるものの、上昇率は33%と大きかった。JUKIタイランドの山中敏幸社長は、「ミャンマーの繊維関連企業は、この先の(いっそうの)賃金上昇に備え、自動化や省力化により生産性を高める方向に動き始めている」と話す。

同社は、ラインごとの生産量がオンタイムで把握できる管理システムのほか、自動機では、複数種の布を縫い合わせて瞬時にスーツのポケット部分を縫製する機種、ズボンのベルトループを付ける機種などを展示し、従業員が縫製を実演した。同種の自動機は、近隣のタイやベトナムでは既に多く導入されているという。

■ロンジーに日本の刺繍機

1996年にミャンマ―に進出したタジマグループは、シルク製などの高級ロンジー向けの刺繍機で存在感を示してきた。タジマ・アジアの伊藤昇マネジング・ディレクターによると、ヤンゴンのロンジー向け刺繍機市場ではトップシェアだ。ただ、5年ほど前からは、北部地方の州・管区を中心に中国製の刺繍機が多く入り込んでおり、付加価値を生かした新たな展開も狙う。伊藤マネジング・ディレクターは、「現在はまだ少ない外資ブランドのスポーツ衣料品製造などが増えてくると、質の高い刺繍加工の需要は大きく高まる」として、商機を狙う。

ミャンマーの民族衣装ロンジーの模様づけなどに使われるタジマの刺繍機=6日、ヤンゴン

ミャンマーの民族衣装ロンジーの模様づけなどに使われるタジマの刺繍機=6日、ヤンゴン

タジマの刺繍機でつくられたロンジー=6日、ヤンゴン

タジマの刺繍機でつくられたロンジー=6日、ヤンゴン

ヤンゴン北部のラインタヤ地区に本社を置く中国系のウェルス・チャンプ・ミャンマーは、日本のJUKIのほか、中国、カナダなど8ブランドの自動機を紹介。担当者は「コスト高により、自動化対応への問い合わせは年々増えている。ミャンマーは成長市場だ」と話した。

ミャンマーの17年の縫製品輸出額は、5年前の12年との比較で3倍の27億米ドル(約3,050億円)に達した。18年はさらに23%増の33億米ドルに達すると予測されている。業界関係者の一人は、19年以降も年率10%以上の成長を見込んでいると話した。

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