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【フィリピン】11月物価上昇率は6.0%、食品の伸びが鈍化[経済](2018/12/06)

フィリピン統計庁(PSA)は5日、2018年11月の消費者物価指数(CPI、12年=100)が前年同月比6.0%上昇の119.6だったと発表した。上昇率は前月から0.7ポイント低下し、7月の5.7%以来の水準となった。食品の伸び率が2カ月連続で鈍化した。CPIは前月からは0.2ポイント低下し、1年半ぶりに前月比マイナスに転じた。政府はインフレ抑制策が奏功したと強調するが、アナリストは10月以降の原油価格下落の影響と指摘する。

11月の前年同月比上昇率は、フィリピン中央銀行の予想値5.8~6.6%の範囲内に収まった。物価変動が大きい食品とエネルギーの一部を除いたコアインフレ率は5.1%で、前月から0.2ポイント加速した。

項目別では、全11項目のうち3項目が前月から伸び率が低下。食品・非アルコール飲料が前月の9.4%から8.0%、食品のみでは9.2%から7.7%にそれぞれ低下し、2カ月連続で伸びが減速した。主要食品の上昇率はコメ(8.1%)、トウモロコシ(4.8%)、肉(6.3%)、魚(12.5%)、果物(3.9%)、野菜(11.5%)、砂糖・ジャム・ハチミツ・チョコレート・菓子(10.5%)が前月から低下した。

このほか、住居費・水道・電気・ガス・燃料が4.8%から4.2%、通信が0.5%から0.4%にそれぞれ低下した。

一方、6分野は前月から伸びが加速。家具・住宅設備・維持費と飲食店・その他物品・サービスが前月から0.3ポイント、アルコール飲料・たばこ、衣料品・履物、保健衛生が0.2ポイントそれぞれ上昇した。

運輸は前月の8.9%(改定値)から変わらず、教育(マイナス3.8%)は4カ月連続で横ばいだった。

国家経済開発庁(NEDA)、財務省、予算管理省は共同声明で、魚、コメ、砂糖などの輸入の非関税障壁を取り除き、輸入手続きを迅速化する行政命令18年第13号を9月に発令したことなどの効果が出てきていると指摘。インフレ率は短期的にさらに低下するとの見通しを示した。

1~11月の前年同月比上昇率の平均は5.2%で、政府通年目標の2.0~4.0%を大きく上回っているが、中銀の予測値5.3%をわずかに下回っている。

民間シンクタンクであるイボン財団のソニー・アフリカ氏はNNAに対し、11月のインフレ率が減速したのは政府によるインフレ対策の効果というより、10月以降に原油価格が下落した影響が大きいと指摘。「1~11月のインフレ率5.2%は政府のインフレ目標を大幅に超えており、11月のインフレ率が減速したといっても多くの国民に実感はないだろう」とコメントした。

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