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チロルチョコ会長が実践する「人材育成で唯一できること」

コンビニのレジ横の定番と言えば「チロルチョコ」。

駄菓子屋の減少などから苦境に立ったチロルチョコも、コンビニへシフトしたことでV字回復。さらには、「きなこもち」が大ヒットするなど、バラエティに富んださまざまな商品や、最近ではユニークな社長交代の広告で話題になっている。

チロルチョコ株式会社の松尾利彦会長に文化放送『The News Masters TOKYO』のパーソナリティ・タケ小山が、松尾流の社員の育て方や事業を継承する新社長の息子について聞いた。


チロルチョコはカルトだ

20代で入社した時に、今後のブランド展開について考えたという松尾会長。

松尾:
大手のようにはなれないし、カルト文化が好きだったので、そういうブランドになれたらいいなと思いました。

もともとアートが好きで、アメリカで留学中にアンディ・ウォーホールを好きになった松尾会長。日本に無いキッチュなブランドを目指した。

タケ:
チロルチョコとは一体何ですか?

松尾:
私自身かな。

企画はすべて会長が担ってきたため、自分の好みがすべて反映されているのだそうだ。その根源には子供の頃のある経験があったという。

松尾:
昔、いじめられっ子だった。マジョリティに対して、反発心があって。権威とか大きいものに、本能的に反発しちゃうんです。

チロルチョコの正体は松尾会長自身、しかも幼い頃の体験から生まれた反発心が、あのチョコには凝縮されているのであった。

松尾流・商品開発&人材育成術とは?

タケ:
商品開発に必要なことは何でしょうか?

松尾:
チロルチョコに関して言えば、遊び心ですかね。大事って言うか、自分はずっとそれでやって来ました。

自分がワクワクする、楽しんで企画を考えるっていうことが、チロルチョコに関しては必要と説く松尾会長。続けて、タケは人材育成についても聞いてみた。

タケ:
会社の運営もトップの仕事。どんな社員を育てているのでしょうか?

松尾:
僕は人を育てられるって一度も考えたことないんです。唯一できるのはチャンスを与えること。“やってみる?じゃあ権限を与えるよ”とそのくらいですね。

そうして、「ダメだったら次に向かう」と答える松尾会長。人を育てるのは難しく、常に社員にかけている言葉もないという。さらに言うと、業界の集まりにも出席せず、会社の懇親会も乾杯だけやって、すぐ中座するのだという。その裏側にはどんな意図があるのだろうか?

松尾:
僕がその場にいることで周りが気を遣うじゃないですか。言いたくもない、ヨイショもする。こっちもそれを分かっていて“やぁやぁ”って言わなきゃいけない。

チロルチョコを次の世代へ

日経MJに大きな広告が掲載され、話題となった息子さんへの社長交代。今後のチロルチョコについてタケがインタビューを続ける。

タケ:
社長を継がれた息子さんはどんな人でしょうか?

松尾:
息子はまったく僕と違うタイプで、企画はお手上げなんだけど、管理者としては優れていますね。きちっと仕事ができる人間です。

興味深いことに、息子とは言えタイプが逆の現社長。しかしそこでタケには、こんな疑問が浮かぶ。

タケ:
何故、このタイミングで交代だったのですか?

松尾:
60代に入ると肉体的には必ず衰えてくるんですよね。社長業は体力がいります。父が64歳で、脳出血で倒れてるんです。今、私が64歳になり、自分の体力をみていると潮時っていうのがあって。

社長を継いだ松尾会長の息子・松尾裕二さん。そこに浮かぶのは「同族経営」。悪しき風習のようにも語られるこの事業継承について、どのように考えているのであろうか?

タケ:
同族経営の長所、短所ってなんでしょうか?

松尾:
同族経営の長所は“逃げられない”って言うのがあるんです。本当に会社のことを真剣に考えざるをえない。辞めちゃえばそれで終わりのサラリーマン社長とはそこが違うんですね。

自分のことだけを考えられない、これこそが同族経営の強みなのである。定年で社員が辞めると、その社員に対する責任は果たしたという思いから心が軽くなるとも。

タケ:
今後の夢ってなんでしょうか?

松尾:
僕自身はあんまりない。継いだ息子が会社を持続成長させてもらえれば。

通常のお菓子メーカーとは違い、我々の予想を良い意味で裏切ってくれるチロルチョコの商品開発や事業展開。

創業者一族の会長というとどこか「豪快奔放」な人物像をイメージしてしまうが、浮かび上がったのは、それとはまた別の人物像。松尾会長の根底には、いじめられっ子だった子供の頃に芽生えた、マジョリティに対する反抗心があった。

しかし、事業を継承した新社長は、タイプが逆だという。新生チロルチョコは今後どのような事業展開を行うのであろうか!?チロルチョコは、また面白い局面を迎えようとしている。

文化放送『The News Masters TOKYO』のタケ小山がインタビュアーとなり、社長・経営者・リーダー・マネージャー・監督など、いわゆる「リーダー」や「キーマン」を紹介するマスターズインタビュー。音声で聞くには podcastで。
The News Masters TOKYO Podcast
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文化放送「The News Masters TOKYO」http://www.joqr.co.jp/nmt/ (月~金 AM7:00~9:00生放送)
こちらから聴けます!→http://radiko.jp/#QRR
パーソナリティ:タケ小山 アシスタント:小尾渚沙(文化放送アナウンサー)
「マスターズインタビュー」コーナー(月~金 8:40頃~)