【フィリピン】変異株対策の入国禁止解除[社会](2021/02/01)
フィリピン政府は1月29日、新型コロナウイルスの変異株が確認された国・地域からの外国人の入国禁止措置を解除し、2月1日から条件付きで入国を認めると発表した。入国可能なのは既に発給済みで有効な査証(ビザ)の保有者が対象で、自主隔離する施設やホテルを事前に7日間以上予約する必要がある。一方、新規ビザの発給手続き停止など、全世界を対象に既に導入している外国人の入国規制については今後も継続する。
政府は変異株の流入を防ぐため、日本を含む36カ国・地域を対象に2020年12月30日から21年1月31日まで入国禁止措置を実施していた。今後は一定の条件を満たした外国人は入国できるが、14日間の自主隔離を求めるほか、入国から6日目にコロナ検査を受ける必要がある。
国内では1月13日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイから帰国したフィリピン人が国内で英国型の変異ウイルスに感染していたことが分かった。国内初のケースとなり、現在までに変異株の感染者は17人に上っている。その後の遺伝子検査で新たな変異株の感染は見つかっていないが、検査数が限られていることが要因とみられる。
政府は変異ウイルス対策の入国規制は打ち切るが、新型コロナ対策でこれまでに導入している全世界を対象とした外国人の入国規制は継続する。入国管理局のモレンテ長官は1月30日、「政府の新型コロナ対策本部の決定に従い、今後も外国人の入国は制限する」と強調した。
変異株対策前の入国規制を巡っては、有効なビザの保有者を対象に、これまでに特定の投資家や貿易事業者、フィリピン経済区庁(PEZA)の登録企業の従業員、20年12月17日以降に出国した一般就労ビザの保有者など、一部の外国人に限り再入国を認めている。これらの外国人は変異株対策の入国禁止措置が終わった後に再入国が可能となる。
一方、政府は20年3月からビザの新規発給手続きを停止しているほか、観光目的の入国も拒否している。国内では新型コロナの感染者が1月31日時点で累計52万5,000人を超えるなど、感染拡大が収まっていない。政府は外国人の入国を引き続き制限し、水際対策を徹底していく。