【タイ】ハビタット、日本企業とコンド2軒建設へ[建設](2019/07/26)
タイの不動産開発会社ハビタット・グループは25日、総合不動産事業を手掛けるリストグループ(横浜市)と共同で首都バンコクに低層高級コンドミニアム(分譲マンション)2軒を建設すると発表した。総事業費は28億バーツ(約98億円)。リストグループがタイで不動産開発を手掛けるのは初めてで、これを皮切りに、ハビタットや他の日系企業と協力し、同国で事業を拡大させていきたい考えだ。
共同で高級コンドミニアムを建設すると発表したハビタット・グループのチャニンCEO(左から3人目)、リストグループの北見尚之代表(同4人目)、リスト・ホールディングス・シンガポールの山田COO(同5人目)ら=25日、バンコク(NNA撮影)
両社は合弁会社を2社設立し、タイの富裕層や日本人をはじめとする外国人が多く暮らすトンロー地区に「ワルデン(Walden)」ブランドのコンドミニアムを2軒建設する。合弁会社には、ハビタット・グループが62%、リストグループが38%出資する。
「ワルデン・トンロー8」の事業費は15億バーツ。8階建て、供給戸数117戸で、部屋は1ベッドルームと2ベッドルームの2タイプあり、1戸当たりの床面積は32.5~71平方メートル。販売価格は800万~1,400万バーツとしている。
「ワルデン・トンロー13」の事業費は13億バーツ。同じく8階建て、供給戸数122戸で、部屋は1ベッドルームと2ベッドルームの2タイプあり、1戸当たりの床面積は35~60平方メートル。販売価格は750万~1,300万バーツとしている。
ハビタットのチャニン最高経営責任者(CEO)によると、2軒とも9月に販売を開始し、来年初めに着工する予定。ハビタットが建設を、リストがマーケティングと販売を担当する。投資目的の購入が6割、実需が4割と見込み、タイ国内のほか、香港、シンガポール、中国、日本などでも売り込みを図る。
リストグループのアジア統括会社リスト・ホールディングス・シンガポールの山田泰史最高執行責任者(COO)はタイを選んだ理由として、「特にバンコクは中長期にわたる成長が見込まれ、他の東南アジア諸国と比べて市場の透明性が高く、法制・税制の面でも安心感があるため」と説明。「バンコクはアジアの他の都市に比べて不動産価格が低く、中間層や富裕層の増加に伴い質の高い不動産の需要が拡大していく」との見方を示した。
■東南アジアで200億円投資
リストは1991年に創業した。2010年に傘下企業を通じて世界最大級のオークションハウス「サザビーズ」を起源とする不動産仲介ブランド「サザビーズ・インターナショナル・リアルティ」の国内独占営業権を取得。米国ハワイ州やアジアで不動産仲介事業や開発事業を手掛けている。
山田COOによると、東南アジアではこれまで不動産関連事業6件を手掛け、総額約200億円を投資してきた。不動産開発はタイのほか、フィリピン、インドネシアで手掛けている。今後も積極的に事業を展開し、投資総額を500億円規模まで拡大させたい考えという。