Vlightup株式会社
- 本社所在地 〒1000005 東京都千代田区丸の内1丁目11番1号パシフィックセンチュリープレイス丸の内
- 公式HP https://trustauthy.jp/
- ビジネス立ち上げのきっかけ・ビジョン
- 事業概要
- ユースケース①:クリプトのP2P取引におけるKYC /AML対策
- ユースケース②:IoT機器からの出力データの真正性担保(例:自動運転等のケース)
- 代表者
ビジネス立ち上げのきっかけ・ビジョン
Balaji Srinivasanが提唱する「The pseudonymous economy」(仮名経済)という概念をご存知でしょうか?
すでにWeb3などのデジタル空間上では、人々は仮名の人格(アバター)で活動することが当たり前になっています。さらにDappsとよばれるサービス/アプリケーションはスマートコントラクトで自動処理され、暗号資産(クリプト)を通じた価値の交換が行われています。
これにより5年も待たずして、従来の経済や社会の制約、差別等から人々が解放され、web3を中心に社会の多くの側面を再定義する可能性があると私は実感しています。特にプライバシーの保護や表現の自由、新しい経済的機会の創出など新しい経済の地平を拓くインパクトがあると実感しています。
そこで、デジタル空間上の経済活動が今後ますます活発になるにつれて、デジタル空間上の人格についてのアイデンティティ証明ないし本人確認が重要な課題となると確信しています。
とくに、詐欺目的のウォレットアドレスや金融犯罪の意図をもった暗号資産取引などを防止ないし被害の回復を図るためには、アバターの本人性を確認・証明する手段は必要不可欠であると考えています。
一方で、リアルな社会で行われている本人確認/アイデンティティ証明の技法は非中央集権型とよばれるweb3にはなじまず、顧客体験(UI)を大きく損なう状況にあると、実際にweb3のアプリケーションに触れるなかで感じています。
こうした理由から私は、デジタル空間において「適度に簡易で信頼性のある中間強度」の身元確認の仕組みの開発に着手しました。
このサービスは、web3の世界にとどまらず、新しい本人確認の手法として発展することができると自負しています。例えば、特定の住所がない、年収がほとんどないなどの理由から公的なIDを保有しない人々にもIDを付与することが可能となり、ファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)を実現するためのインフラにもなりうるサービスであると確信しています。
事業概要
「デジタル空間」で活動するアバターのニックネームとアイコンに、「フィジカル空間」における認証済みの測位情報と時刻情報を関連づけたSoul Bound Token(SBT)を発行します。これにより、デジタルとリアルを統合した唯一無二のアイデンティティを生成し、実体性・時刻同期性・追跡可能性を備えたマシンリーダブルな取引時確認(本人確認)サービスを提供します。
さらに、暗号資産取引等で利用されるウォレットの仕組みに、このSBT生成プログラムを実装することにより、従来のウォレットが持つセキュリティの課題や身元確認の制約を克服し、ユーザー間の取引の透明性と信頼性を大幅に向上させることが可能となります。
そもそもSBTがマシンリーダブルであることにより、スマートコントラクトにも対応可能で、UXも飛躍的に向上。暗号資産取引を、より安全で、より効率的に、そしてより使いやすくする次世代のウォレットを提供します。
ユースケース①:クリプトのP2P取引におけるKYC /AML対策
ユーザーが仮名のアバターで経済活動を行うと、その対価としてトークンの支払いが行われる。このとき、AMLの観点から支払いを行ってよいのか、また送金先のウォレットアドレスが確かにこのユーザーのものであるか不安が生じる。TrustAuthyの利用で、アバターの身元を識別し、支払いの適格性及びwalletの正当性を確認することが可能となる。
▪️クリプトのP2P取引における課題
- Unhosted Wallet間のP2P取引では、現実世界とのリンクが存在しないため、デジタル取引を検証し追跡する方法が確立されていない。このため、AMLやKYCの要件を満たす上で課題に直面している。
- 暗号資産の取引において紛争が生じた場合、現実世界の場所や時間のような具体的な参照点を有していないため、紛争の解決が困難となる。
- 既存の本人確認手続きにおいては、「確認」と「検証」の手続きが区分され、コンピュータを用いた判定が行えない。
- 身元確認情報を定期的に更新し、最新の情報を維持するための事務が煩雑である。
・TrustAuthy 利用のメリット
- トレーサビリティの確保 (例)暗号資産流出等の際の追跡調査
- ジュリスディクション(裁判管轄権)問題の解決
- マシンリーダブルな身元確認を実現し、更新管理(継続的顧客管理)が容易(イベントベース/ピリオディックな自動更新)
- イラン・北朝鮮における取引(高リスク取引)か否かについて位置情報から確認可能
- なりすまし・偽りが生じ得ない。
ユースケース②:IoT機器からの出力データの真正性担保(例:自動運転等のケース)
Trustauthy Wallet の利用は人間だけに限られない。このwalletをIoT機器に組み込むことにより、出力されるデータ自体に信頼性を付与することが可能になる。これは、内外から取得するセンサーデータに大きく依存する「車の自動運転」や「ドローンのオートパイロット」の安全な運行を支える必要不可欠である。
■自律走行(自動運転):
- リアルタイムの判断のためのデータの真正性確保: 自律走行車は走行中、LIDAR、カメラ、GPSなど様々なセンサーからのリアルタイムデータや、信号機や道路標識などのインフラからの情報に大きく依存する。SBTを使用すると、各データの真正性を検証できるため、改ざんされていない本物のデータに基づいて自動運転に係る意思決定を行っていることが保証される。
- 車両間通信: 自律走行車両は互いに通信を行い、道路状況や交通状況、潜在的な危険に関する情報を共有する。SBTを使用することで、車両は他の車両から受信したデータが改ざんされていないことを知り、そのデータを信頼することができる。
■ドローンのオートパイロット:
- 飛行経路の確認: ドローンはあらかじめ決められた飛行経路をたどることが多い。SBTを使用することで、オペレーターはドローンが正しい経路をたどり、その飛行に関するデータが本物であることを検証できる。
- 空中交通通信: ドローンが一般的になるにつれ、他の航空機や航空管制官との通信が必要になる。SBTを使用することで、ドローンと他のエンティティ間の通信が本物で安全であることを保証できる。
代表者
皆本 祥男
代表取締役/公認会計士/公認不正検査士
PwCあらた有限責任監査法人の金融部門にてキャリアをスタートし、会計監査・内部統制監査のほか、リスク/規制対応業務に従事した。 その後、同法人初の AWSを利用したSaaSプロダクトを開発し、プロフェッショナルファームにおける収益モデルの変革を実行した。同プロダクトは PwC グローバル イノベーション チャレンジ(ビジネス コンペ)において、全世界約 700 の応募の中から Top15 に選出された(日本勢で史上初)。 その後、宇宙関連サービスやデータトラストサービスの立ち上げ等、PwCの新規事業開発を推進した。