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オリンピック報奨金っていくら?ちょっと気になるメダリストのボーナス事情

【転載元】
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雪と氷の世界を舞台に、世界のトップアスリートたちが渾身のパフォーマンスを繰り広げたピョンチャンオリンピック(平昌五輪)。

活躍が期待された日本選手団も大健闘し、冬季五輪では史上最多となるメダル13個(金4個、銀5個、銅4個)を獲得! メダリストに報奨金を贈る関係者からは、うれしい悲鳴が上がっています。
皆さんもご存じの通り、オリンピックでメダルを獲得した日本選手には、JOC(日本オリンピック委員会)や各競技団体から報奨金が贈呈されます。では、いったいどれくらいの額が、何を資金源に支払われているのでしょうか? ちょっと気になるメダリストのボーナス事情に迫ってみました。

 

リオ五輪から金メダルの額がアップ!JOCの報奨金と資金源

 

まず、JOC(日本オリンピック委員会)から支払われる報奨金の金額と資金源について見ていきましょう。
JOCのメダル報奨金制度は1992年アルベールビル五輪から導入され、当初は金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円に設定されていました。その後、2016年リオデジャネイロ五輪から、金メダルの価値を高めるというJOCの配慮で、金メダルのみ500万円に増額されています(図は【JOC報奨金の金額 2016年~】)。

 

資金源については、年間で億単位になるスポンサー企業からの契約料が大半を占めているようです。平昌五輪でJOCが支払った報奨金の総額はメダリスト16人で5300万円ですから、スポンサー数十社と契約するJOCの財源から予測するかぎりでは、今回の報奨金は想定内の出費(?)といえるかもしれません。
【JOCの主な資金源】
●スポンサー企業からの契約料
●競輪など公益財団法人からの寄付(補助金)
●公式グッズの権利料
●テレビ局からの放送権料

 

 

種目によって格差のある、競技団体の報奨金と資金源

 

では次に、各競技団体から支払われる報奨金の金額と資金源について見てみましょう。
こちらの報奨金は競技種目によって異なり、各種目の金額は下記のようになっています(図表参照)。あれっ、女子代表が銅メダルを獲得した注目のカーリングはいくら?……と思うかもしれませんが、じつはカーリングや下記以外の種目は、メダルを獲得しても報奨金が出ないのです(図【各競技種目の報奨金の金額】参照)。

 

競技団体の資金のやりくりは、どこもかなり厳しい状況で、カツカツで運営している団体も少なくないといいます。フィギュアスケートなどのメジャーな種目と比べると、オリンピック以外で観戦する機会のないマイナーな種目の団体は、大会入場料・放送権料などの事業収入がほとんどなく、報奨金を出す余裕がないのが実情のようです。
【競技団体の主な資金源】
●選手登録料
●JOCからの補助金
●事業収入(大会などの入場料・テレビ放送権料・スポンサー企業の契約料)

 

選手の所属企業・スポンサーからのビッグボーナスも!

 

さらに、オリンピックでメダルを獲得すると、その選手の所属企業やスポンサーから、現金や物品などのスペシャルボーナスが出るケースも多いようです。
たとえば、今大会のスピードスケートで2つの金メダルを獲得した高木菜那選手には、所属企業「日本電産サンキョー」から4000万円の報奨金に加え、3階級の特別昇進(係長級)というダブルボーナスが贈られました。これで高木菜那選手は、JOCからの1000万円(金2個×500万円)+日本スケート連盟からの1000万円(金2個×500万円)と合わせて、総額6000万円の報奨金(+出世も!)をゲットしたことになります。スゴイですね~!

また、日本カーリング界で初のメダルを獲得した女子代表「LS北見」には、スポンサーのJA全農から100俵(6トン)の「報奨米」が贈られるとか。そんなに大量の米を一度にもらっても困るのでは……と思いきや、現物ではなく6トン分の「おこめ券(額面300万円ほど)」で手渡されるようです。
そして最注目のあのヒーロー、フィギュアスケートで連覇を果たした羽生結弦選手には、所属するANA(全日空)から家族分のファーストクラス往復航空券(4人分・行き先自由)が贈呈されました。受け取った羽入選手は「なるべく高い所に行こうと思います」と笑顔でコメント。はたして絶対王者はどこへ旅するのでしょうか。

 

オリンピック選手への金銭的支援はまだまだ少ない?

 

こうして100万円~数千万円の報奨金を手にするメダリストたちですが、オリンピック選手への金銭的支援はまだまだ十分とはいえないようです。オリンピックを目指してスポーツ競技を続けていくためには、とてつもなくお金がかかるからです。
たとえばフィギュアスケートの場合、コーチ代や振り付け代、衣装代、靴代、海外遠征費などで、毎年数千万円の費用がかかるといいます。さらに、資金に余裕のないマイナーな競技になると、団体からのサポートや補助金もほとんどなく、選手みずから練習場を確保したり、スポンサー集めに奔走したり……。運営業務までこなしながら、日々トレーニングを積んでいるのが現状のようです。年俸やボーナスが何億円というプロ野球やサッカーなどのスポーツに比べると、オリンピック競技の報奨金が金額的に見劣りするのは否めません。

そうした中、今年(2018年)2月に開催された東京マラソンでは、日本新記録を達成した設楽悠太選手に1億円の報奨金が贈られ、テレビのニュースやネットなどでも話題となりました。こうしてアスリートに対する評価価値が見直されつつあるのは、オリンピックを目指す若者や子どもたちなど、次世代の選手たちにとっても大きな励みとなるに違いありません。

JOC関係者によると、2020年の東京五輪ではメダル報奨金の増額に加え、選手を支えた指導者やコーチにも報奨金を贈るプランが検討されているそうです。私たちが個人的に多額の資金支援をするのは難しいかもしれませんが、大きな声援とともに世の中からスポーツを盛り上げていくことで、アスリートたちの活躍に貢献できればうれしいですよね。

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫  
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。

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