不動産業界の黒船、インドのスタートアップ「OYO」とは?

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いま、世界の不動産業界で「黒船」として注目を集めている企業がある。日本のソフトバンクビジョンファンドが投資するインド発のホテルベンチャー「OYO(オヨ)」だ。
欧州でバケーションレンタル事業を行う「@Leisure Group(アットレジャーグループ)」を買収するなど快進撃を続ける同社は先ごろ、日本の不動産・ホテル業界にも進出した。

世界1万8,000件のホテルを抱える巨大チェーンの創業者は弱冠26歳

「OYO」の運営企業OYO Roomsの創業者兼最高経営責任者(CEO)のRitesh Agarwal氏は1993年生まれの弱冠26歳。18歳のときに、電子決済大手PayPalの創業者が主催する若手起業家プログラムにインド生まれインド育ちとしてはじめて選出されて頭角を現し、10万ドルの出資を受けて2013年にOYOを設立した。ちなみにOYOは「On Your Own」の頭文字だという。

Ritesh氏は「フォーブスが選ぶ30歳未満の30人(Forbes 30 Under 30)」にも選出されている。2015年にはソフトバンクなどから1億ドルを調達し、インド最大のホテルチェーンとなっている。また、海外展開も積極的に進めており、国内外で1万8,000件以上の自社ブランドホテルを抱えている。

シェアリングサービスを住宅にも、「OYO LIFE」を日本展開

OYOは2019年3月、ヤフーと合弁会社を設立し、ホテルのように気軽に利用できる不動産賃貸事業をコンセプトとして日本での事業展開を始めた。

日本での賃貸サービス「OYO LIFE」は、入居時の仲介手数料、敷金、礼金がかからない。住宅のシェアリングサービスのようなもので、スマホを4回タップするだけで家が借りられるという。とくに、賃貸を活用して自由に住まいを変えたいという若い世代のニーズに合わせているといい、1ヶ月単位で契約できるため、1年未満など短期での利用を想定している。

また、「OYO LIFE」の利用者向けに家事代行、カーシェアリング、コワーキングスペース(共用オフィス)利用、家具家電のレンタルといったシェアサービスも同時に提供し、引っ越しにまつわる不便さを解消する。

一方、物件オーナーには賃貸保証として入居の有無にかかわらずOYOが賃料を支払う。ただし、アパートのサブリースなどと異なるのは、物件の一部屋のみをOYOに貸し出すといった使い方もできるという点だ。

ただ、事業展開が可能な地域は当面、デジタル上のサービスと親和性が高く、利用者の流動性が見込める都市部に限られるとみられている。

主力のホテル事業も日本で展開

また、不動産事業に遅れて、OYOは日本でのホテル事業開始も発表した。OYOは既存のホテルをチェーン化し、宿泊需要の分析などデータに基づいて柔軟な料金設定を行いホテルの利益を最大化する見返りに、フランチャイズ料や収益分配を受け取るビジネスモデルで拡大してきた。
日本では、ソフトバンクとソフトバンク・ビジョン・ファンド、OYOの3社で合弁を設立し、個人経営のホテルなどにノウハウを提供するとみられる。

既存のウイークリーマンションやサブリースとの違いは「売り方」

OYOの不動産賃貸サービスは、一見サブリースやウィークリーマンションなどと似ている。ただ、異なるのは売り方だという。

不動産物件の検索から仲介業者の店舗訪問、内見、契約……とさまざまなプロセスや対面での交渉を要求される既存の賃貸と比べて、スマホ上で契約が完了するOYO LIFEは、デジタルネイティブの若い世代には親和性が高いサービスだといえるだろう。

一方、インターネット上でのサービスは簡便である一方、薄利多売になりやすい。インターネットは「規模の経済」であり、GoogleやAmazonのように多くの利用者を集める「場」になれるかどうかが、マーケットの勝者を決める。

また、一時期隆盛を極めた自転車シェアサービスのように、運営側のマネジメント力も問われるだろう。
ソフトバンクグループをバックにした資本力に加え、顧客目線での商品開発と家具・家電レンタルといった親和性の高いシェアサービスとの提携、データ分析や人工知能(AI)の活用、世界各国でのホテル展開によって培ったマーケティングや清掃などのマネジメント能力といった要素がそろうOYOが、日本の住宅市場でどれほど受け入れられるかが注目されている。(提供:百計オンライン)


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