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高騰するビットコイン。この上昇は本物か! その仕組みを徹底解説

2017年の金融市場における動向のなかでも、その高騰が大きな話題となったのが、ビットコインをはじめとする仮想通貨ではないでしょうか。

今年4月に1ビットコイン=12万円だったものが、12月には1ビットコイン=200万円を突破。主要4大仮想通貨の時価総額は2520億ドルにものぼっています(2017年11月現在)。
一方、その信頼性に疑問を持つ人がいるのも事実で「この高騰はバブルであり、いつか弾けるのでは?……」という懐疑的な声も多く聞かれます。
そこで、そもそも仮想通貨=ビットコインキャッシュ(ビットコイン)とは何なのでしょう。その仕組みをはじめ、ビットコイン関連についてシリーズでお届けします。

ビットコインの事始め

いまや、世界に800種類もあるといわれる仮想通貨。玉石混合の様を見せていますが、適正価格が分からないうえに乱高下の激しさから、なかなか手を出しにくい……というのが大方の本音のようです。しかし、インターネット以来の大発明と言われる仮想通貨、ブロックチェーン技術は「通貨は国家などの中央が主体であり、コントロールするもの」という基本概念を覆すものとして、登場以来、価格高騰を繰り返してきたのです。

仮想通貨=ビットコインキャッシュが登場したのは、わずか10年ほど前。歴史を遡ってみると……、
■2008年/「サトシ ナカモト」と名乗る謎の人物が、ビットコインとその根幹技術であるブロックチェーンに関する論文を、インターネット上に発表。
■2009年1月/最初の取引開始。
■2009年10月/ビットコインと法定通貨(円やドル、ユーロなどいわゆる一般的なお金)の交換レートが初めて提示され、このときの価格は1ビットコイン=約0.07円。
■2017年12月には200万円台に到達
「もし当初に試しで1000円でも購入していたら……」と思わず夢想してしまうほど、この約10年でその価値はとてつもなく上昇したのです。

その経過の中で、一時、最大級の取引量を誇るビットコイン交換所として知られた東京都に拠点を構える「マウントゴックス(株式会社MTGOX)」が何年にもわたる窃盗行為を繰り返した後に破産。その当時の取引価格で約470億円前後もの預り金が消失する、顧客の信頼を失墜するような事件も起きました。

管理者不在ながら、白日の下にさらされるビットコイン

では、ビットコインは誰がコントロールしているのでしょうか。

たとえば「円」は、日本の中央銀行である日本銀行が発行しています。そして、発行されたお金の管理や取引は、銀行など金融機関が行っています。
一方のビットコインの場合、発行者は存在しません。発行量も決まっており、あらかじめ設定されたプログラムに従って運用されています。具体的には、基幹技術であるブロックチェーン(分散型台帳技術)により、ネットワークにつながっている世界中のパソコンが取引情報を共有し、管理・保管しています。

たとえば、AさんがBさんに送金したという情報は匿名ですべて公開されており、その取引状況は誰もが知るところになります。これはつまり、これまで銀行が担っていた役割である帳簿管理を「みんな」で行うことで、監視し合っているということ。
さらに、この取引情報はマイニングという作業で、約10分ごとに一つのブロックとしてまとめられ、チェーンのようにつなげられます。一度ブロックになると基本的に書き換えはできなくなります。もし、データの改ざんやハッキングを行おうとしても、記録は白日の下にさらされているため、基本的に不正は不可能となります。
このようにビットコインにはコントロールする主体がありません。中央集権的な支配下に置かれることなく、ずっと動き続けているのです。

金融危機に強い力を発揮

こうしたビットコインの特性を象徴するように、その存在が広く知れわたったのが、2013年のキプロス金融危機時です。キプロスは地中海に浮かぶ人口100万人ほどの小国ですが、タックスヘイブン(租税回避地)であることから、海外の投資会社などが拠点を構えていました(ロシアはかなり大口の顧客でした)。このため、金融業の規模が国内総生産(GDP)の8倍にもなっており、金融業に大きく依存する状態にあったのです。

しかし、2009年10月の政権交代を機に、財政赤字が公表数字よりも大幅に膨らむことが明らかになったことで始まった「ギリシャ危機」により、同国の国債を多く保有していたキプロスは、巨額の損失を被ります。このためキプロス国家は、銀行救済のために約170億ユーロの支援を欧州中央銀行、国際通貨基金(IMF)、欧州連合(EU)に支援を求めるものの、自国で58億ユーロを捻出することが条件と預金課税の導入を迫られることになります。

キプロスの街に置かれるようになったビットコインのATM

このとき出された預金課税とは「すべての預金者に対して預金の最大9.9%を税金として納めよ」というもの。当然、預金者はお金を引き出そうと銀行に殺到し、大パニックになり、2週間の預金閉鎖、送金ブロックという世界の耳目を集める事態になりました。

そして、こうした事態に陥る前にいち早く資産の一部をビットコインに変えた人たちが、自分の資産を守ることに成功。皮肉にも、中央に管理されない資産としてビットコインの価値は上昇し、以来、キプロスにはビットコインのATMが街に置かれるようになったのです。

──既存の通貨の信用低下や、そこに投機のチャンスを感じて機敏に動いた人の増加によって、ビットコインはその価値を上昇させてきました。2017年の高騰が“ホンモノ”であるかどうかは、意見の分かれるところですが、昨今では、ビットコイン決済対応店舗として、大手のメガネ専門店「メガネスーパー」、大手の家電量販店「ビックカメラ」、大手の家電量販店「ソフマップ」などが続々と名乗り上げ、ビットコインの動向に注目が集まっています。こうした動きからも今後は、ドルなどの法定通貨に疑問を抱く人が増えるほど、仮想通貨の存在はより大きなものになっていくと言えるでしょう。


≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫
石川県金沢市在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。


【転載元】
日本クラウド証券株式会社
https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp

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