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AI時代の新投資術 ・「ロボットアドバイザー(ロボアド)」の実力とは?〈Vol.1〉


また、新たな投資術が世間を賑わし始めた。

とにかく銀行預金の金利がこの体たらく……。預金にして眠らせておくくらいなら少しでも投資を、と考えるのは普通の感覚だ。しかし、投資への経験が乏しく、知識もない。そういった、いわば素人に向けての投資術が次々と開発されている。
今回ご紹介する「ロボットアドバイザー(以下・ロボアド)」もそのひとつ。なにしろAIを駆使したロボット(コンピュータ)が、投資先をリードしてくれるという。いったいどんなものか、探ってみよう。

専門家に代わり、ロボット(コンピュータ)が投資をリード

投資信託といえば、証券会社、銀行、金融のプロが、一般投資家にアドバイスしながら運用方法を決めていくのがこれまでの常識だった。しかしこれからは、そのリード役をロボット(コンピューター)が肩代わりするようになる。これがロボットアドバイザーだ。

「ロボットアドバイザー投資」は、簡単に言うと次のようなフローになる。

  • まず、インターネット経由で運営会社に登録し、簡単な質問に答える
  • その回答によって、投資家の資産運用の基本姿勢をロボットが把握・認識
  • そこから、適切な投資先を提案する……というものだ

会社によっては提案にとどまらず、運用や管理、メンテナンスまですべて行ってくれるケースもある。ロボアドは膨大な過去のデータ等から、人工知能を使って投資先を分析し、たとえばハイリスク・ハイリターンの商品から、ローリスク・ローリターンの商品まで、投資家の求めに応じてきめ細かく指南する。
つまり、投資の際にある意味重要とされていた勘やイメージといったものはことごとく排除され、金融工学理論をベースに、これまでの実績、投資会社の業績、見通し等に基づいて出資先を提案する。

いたってシンプルな、ロボアドのしくみ

「ロボットアドバイザー投資」を始めるには、まず運営会社から出される投資家の姿勢や考え方を把握するための質問に答えなければならない(図参照)。
その回答がコンピュータによって処理され、それぞれの投資家に見合った投資信託が提示される。

運営会社から提示された上記のような質問に答えると、コンピュータがそれぞれの“個性”に見合った投資信託を提案してくれる。
そして、ロボアドは「投資一任型」と「アドバイス型」に大別される。質問に答えて、目的や個性に見合った資産運用と資産配分比率などを提案するところまでは一緒だが、その先が異なるので、その辺りをきちんと把握しておくことが肝要となる。

(1) 投資一任型ロボアド

一任型の場合(「投資一任型ロボアドのしくみ」図参照)、運営会社に口座を開設し、一切の投資契約を締結する。投資信託や上場投資信託(EFT)などの商品買い付けまでを任せる。相場が変動して目的の資産形成にゆがみが出てきたら、自動的に売買して元に戻す「リバランス」までやってくれる。

(2) アドバイス型ロボアド

アドバイス型(「アドバイス型ロボアドのしくみ」図参照)は商品の売買はしてくれない。資産配分の提案だけなら手数料は無料だ。実際には、運営会社が販売する商品の中から投資家に合ったものを提案してくれるので、信託報酬など運用のコストを考慮して、買うか否かを利用者が判断する。
以上が、ロボアドの基本的なしくみと運用の流れだ。

── ロボアドのしくみが意外とシンプルであることは一目瞭然だが、とはいえ、まだまだ勘やイメージに頼っている人が多いのも事実。どこまでロボアドを信じられるのか……、ロボアドに資産を任せられるのか……、そうした点で懐疑的な人は多いことだろう。

では、具体的にロボアドにはどんなメリットやデメリットがあるのか。また、実際の運営会社の種類や特性についても知りたいという方に向けて、次回はこの2点を中心にお伝えしよう。

≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、この春退職。今後はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛ける予定。

【転載元】
日本クラウド証券株式会社
https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp

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