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一気に急拡大! シェアリングエコノミーの未来(その2)

前回は、拡大を続けるシェアリングエコノミーの現状をレポートしたが、なかでも急激に業績を伸ばしているmercari(以下・メルカリ)が、いよいよ満を持して株式を新規上場するという情報が入ってきた。

上場すれば、今年最高のIPO(新規上場)といわれ、投資のプロだけでなく個人の投資家からも大いに注目されている。そのメルカリ上場予定に関する情報をレポートしよう。

勢いが止まらない、日本発のフリマアプリ「メルカリ」

メルカリは、だれでも簡単に参加できるフリーマーケットアプリ。インターネットを通して、手元にある不要なもの、もう使う予定のないものなどを売ることができ、金額に納得して購入を決めた人は、仲介役のメルカリを通して支払いを済ませる。仕組みはいたってシンプルで支払いを済ませた段階で決済となり、メルカリは売買成立のタイミングで、売り手から10%のマージンをとる。さらに、オークションのように買い手に価格の決定権がないため、売りたい側が自由に価格を決められることもメリットのひとつとなっている。
インターネットとSNSの発達のおかげで、これらの売買が一瞬の情報交換で行われる。そのスピード感はかつて経験したことのない速さだ。

メルカリはアメリカナイズしたビジネスと受け取られがちだが、実はこのアプリを生んだのは山田進太郎という日本人だ。彼は楽天などでネットビジネスの経験を積み、2013年に(株)メルカリを設立。
その年には早くも100万ダウンロードを記録し、2015年には2000万ダウンロード、2016年には4000万ダウンロードと、すさまじい勢いで成長している。
また、2014年には米国、2017年にはイギリスにも進出し、いまや全世界で7500万ダウンロードを誇っており、1億ダウンロードを超えるのも時間の問題とされている。1日の出品数も2013年で1万点だったものが、2015年で10万点以上、2016年には100万点以上となり、月間の流通額は100億円以上となっている。

メルカリ、いよいよ新規上場へカウントダウン

成長著しいメルカリについて、投資筋にとっては「いつ上場するのか」が最大の関心事だろうが、いよいよその時がまもなくやってきそうだ。
今年7月に、メルカリは東京証券取引所に上場の予備申請を行っている。順調に審査が進めば、おそらく年内12月には新規上場(IPO)が果たされるのではないかといわれている。
メルカリの業績からすれば、上場後の時価総額は1000億円以上。いきなり東証一部に上場するのではないかといわれており、今年一番の目玉IPOとなることは確実だ。

一般に上場前の株の公募価格は、万が一にも売れ残ることがないように安く設定されている。なので、この公募価格でメルカリの株をゲットできれば、上場初日には公募価格より高値がつくことが予想され、初値で売ることでかなりの利益を得ることができる……というまことしやかな声も多くのシーンでささやかれている。

さらに、多くの機関投資家などの関心は以下の2つのようだ。
●公募価格がいくらになるのか
●主幹事社がどの証券会社になるか
企業が上場するとき、複数の証券会社がその手助けをするが、なかでもリーダー格になるのが主幹事証券会社。うわさによるとメルカリの場合はすでに主幹事が決まっているともいわれているが、主幹事社はほかの証券会社と比べて上場株の引き受け比率が高いため、多くの株を所有している。
機関投資家も一般の個人投資家も、この主幹事社を中心に上場株の購入を申し込むことになるが、応募者が多数となれば抽選となり、抽選に当たった投資家が、このメルカリの上場株を手にできるというわけだ。
もし興味があれば、主幹事社がどこになるのかを見極め、その証券会社に口座を持って、メルカリ株の購入を申請してみてはいかがだろう。

メルカリ関連株にも注目!

メルカリが上場する場合、株を購入したくともなにしろ抽選なので、運を天に任せるしかない。しかし、もうひとつメルカリがらみで利益を得る可能性がある。それはメルカリと親密に取引している、いわゆるメルカリ関連株に注目することだ。メルカリの業績が上がって株価が上昇すれば、それに引きずられるように関連企業の業績も上がり、株価も上昇することが見込まれる。

ここに、メルカリ株上場に合わせて株価の上昇が期待できる企業を紹介しよう。
① ユナイテッド(株)
東証マザースに上場しているユナイテッド。ココッパなどのスマホアプリやネット広告を手がけているITベンチャー企業だ。メルカリとはユーザー層が一致していることから、両社は2013年から資本提携をしている。ユナイテッドはメルカリの14.5%の株式を保有しているほか多額の出資もしている。7月にメルカリ上場見込みのニュースが流れると、ユナイテッドの株価は急騰し、一時ストップ高になった。

② 三井物産(株)
大手商社の中でもっともメルカリに近いのが三井物産。メルカリは、2016年三井物産や日本政策投資銀行などの大手企業6社から総額84億円の資金調達を行ったことを発表。出資額の詳細は明らかになっていないが、三井物産が6社の中でもっとも多く出資したといわれている。メルカリが上場すれば出資社の株価にも影響を与える可能性がある。

③ 伊藤忠商事(株)
伊藤忠は、子会社の伊藤忠テクノロジーベンチャーズがメルカリに出資している。規模は三井物産ほどではないにせよ、有力な出資会社のひとつだ。急成長するベンチャー企業をめぐって、大手総合商社間の激しい競争が繰り広げられている。ただし、三井物産も伊藤忠ももともとが大型株で時価総額の規模が大きいため、ユナイテッドのように大きく株価が変動する可能性は低い。

── いずれにしても、投資家の間で大注目のメルカリの新規上場。うわさが真実になるかはまだ不確定だが、これから数カ月間、目が離せない状況が続くことは確か。もし、興味があるようなら証券会社に相談してみるのも手だろう。

≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、この春退職。今後はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛ける予定。

【転載元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp

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