あなたのカードは大丈夫? 気づかぬリボ払いでトラブル増加
ここ最近、クレジットカードの「リボ払い(リボルビング払い)」に関するトラブルが急増しています。
その多くは、カード利用者がリボ払いと気づかずに買い物をしてしまい、「知らないうちに手数料が高額になっていた」「手数料ばかりとられて支払い残高が減らない」というケースです。
テレビCMなどでもおなじみの「リボ払い」をめぐって、なぜ、そんなトラブルが頻発しているのでしょうか……?
支払い期間が長引いて手数料が高額化するリスクが
クレジットカードの支払い方法には、大きく分けて「一括払い」「ボーナス一括払い」「分割払い」のほか、毎月あらかじめ決めた一定額(または一定割合)を返済していく「リボ払い」の4種類があります。そのうち一括払いとボーナス一括払いは手数料がかかりませんが、分割払いとリボ払いには手数料がかかってきます。
この手数料はクレジット会社の大きな収益源となるため、利用者からの手数料収入を定期化・最大化できるリボ払いは、クレジットカード会社にとっては「大歓迎」な支払い方法でもあるのです。そうしたことから、クレジット各社ではリボ払いのCMやキャンペーンを大々的に展開し、「計画的・スマート」といったイメージを打ち出して利用拡大を狙っているのですが……。ここで利用者として注意したいのが、リボ払いにかかる手数料の高額化です。
月々の返済額を抑えられるリボ払いは家計に響きにくい反面、いくら買い物をしても毎月の支払い額が一定なので借金の意識が薄れやすく、支払い期間が長引いて手数料がかさむリスクがあります。手数料も年利換算で15%後となっており、銀行預金の金利が1%にも満たない超低金利時代にあって、この利率がどれほど高いのかは、十分おわかりいただけるでしょう。
リボ払い専用カードと知らずに利用しているケースも
さらにもうひとつ、リボ払いをめぐるトラブルの一因となっているのが「リボ払い専用カード」です。
リボ払いを利用するには、「店舗で買い物をする際に指定する」「カードを利用した後にクレジット会社に申請する」という方法がありますが、リボ払い専用カードを使えば、自分で指定・申請しなくてもすべてリボ払いで決済されます。しかし、リボ払い専用カードの場合、店舗で「一括払い」と告げても(レシートにも一括払いと表示される)自動的にリボ払いになる設定となっているため、気づかないまま使い続けると手数料がかさんで、予期せぬ返済額に膨れ上がってしまう可能性があるのです。
国民生活センターの消費者相談調査によると、カード入会申込書に「リボ払い専用」と表示していないケースも多く、申し込み時にリボ払い専用カードと認識せずに契約し、気づかないまま利用していた……という相談がここ数年で急増。なかには、リボ払いをしていることに何年も気づかず、手数料だけで数十万円支払っていたという相談者もいるそうです。リボ払いの仕組みを理解しないままカードを作る利用者も多く、複数枚のクレジットカードで安易にリボ払いを利用し、多重債務に陥っているケースも少なくないといいます。
新規カード契約時に必ず確認&月々の明細もチェックを
とくに最近、キャッシュバックやポイント特典などを絡めて、クレジット会社がリボ払い専用カードを積極的にすすめる動きが広まっており、今後さらにリボ払いに関するトラブル増加の可能性が指摘されています。リボ払い専用カードの勧誘・運用については、クレジット会社の業界団体である日本クレジット協会にも苦情が寄せられていますが、現在のところ対策をとる予定はないといいます。
こうした点からも、私たち利用者がリボ払いの仕組みをきちんと理解し、新規でカードを申し込む際には、規約などでリボ払いかどうかをしっかり確認すること。さらには、リボ払いで決済されれば毎月の利用明細に記載されますので、郵送の明細書やWeb明細を必ずチェックすることが肝心です。
もちろん、仕組みをよく理解したうえで、自分の意思・判断で利用するのであれば、リボ払いも有用な選択肢のひとつとなります。
避けたいのは、リボ払い専用だと知らずにカードを契約・利用し、毎月の支払い設定額を超えた時に初めて専用カードだったと気づくケースです。もし、リボ払いと知らずに買い物をしても、残高の全額や一部を繰り上げ返済すれば手数料は抑えられますので、気づいたら早めにクレジット会社に問い合わせることをおすすめします。
※参考/国民生活センターHP、朝日新聞
≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。
【転載元】
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