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投資で夢を応援しよう!エンジェル税制

camera_alt (写真=Lemau Studio/Shutterstock.com)

『エンジェル税制』とは?

『エンジェル税制』という制度をご存知でしょうか。

「ベンチャー企業は日本の経済の活性化をもたらす」という考え方のもと、平成9年度に『エンジェル税制』という投資家優遇税制が設けられ、現在も活用されています。

ざっくりと説明すると、個人の投資家(エンジェル)がベンチャー企業へ投資をすれば、個人投資家の確定申告の際、その投資金額が所得から控除できるという制度です。通常ですと投資をすれば株式などは得られるものの、所得は動かないため税額への影響はありませんが、この税制を利用すれば税額を減少させることができ効率的な投資が可能になります。

その優遇措置は『①投資時点』と『②株式の売却時点』で受けられることとなっていますが、一方で、ベンチャー企業、投資家いずれにも適用するための要件が設けられています。

今回はその仕組みと要件を確認していきます。

優遇措置の仕組み

1. 投資時点
投資時点での優遇措置は、AとBの2つの優遇措置に分けられます。

● 優遇措置A(設立3年未満)
(対象企業への投資額-2,000円)を、その年の総所得金額から控除
※総所得金額×40%か1,000万円のいずれか低い方が上限

● 優遇措置B(設立10年未満)
対象企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡益から控除
※金額の上限なし

積極的な投資を促進するため、本来は所得に影響しない投資金額が所得控除の対象となり、税効果が期待できます。

2. 株式の売却時点
投資家が対象企業の株式の売却により生じた損失を、その年の他の株式譲渡益と通算(相殺)できます。通算しきれなかった損失については翌年以降3年にわたって、他の株式譲渡益と通算できます。

ベンチャー企業への投資は不安定要素が大きいものですが、出口戦略がきっちりケアしてあるということになります。

エンジェル税制適用の要件

上記の通り、いくつかの種類の優遇措置が設けられており、それぞれの優遇措置ごとにベンチャー企業側、投資家側の要件が設定されています。これらは経済産業局への申請時に審査されますが、その申請のタイミングは、投資金額の払込後か、事前確認を受けたい場合は払込前ということになります。

● ベンチャー企業側の要件
設立経過年数、役員・従業員の状況、中小企業であるかどうか、株主構成などといった項目により審査されます。事前確認という制度もあり、エンジェル税制対象企業ということを事前に周知することにより、投資が受けやすくなるというメリットがあります。

● 個人投資家側の要件
金銭の払込により対象企業の株式を取得していることが前提となります。また、対象企業が同族会社である場合には、所有割合が大きいものから第3位までの株主の所有割合を順に加算し、その割合がはじめて50%超になる時における株主に属していないことが条件となります。

企業・投資家双方にメリットの大きな制度

投資が完了した後、ベンチャー企業は経済産業局や地方自治体に申請して経済産業大臣の確認書を受け、個人投資家はその確認書を添付して確定申告を行うことにより、税制優遇を受けることができます。

ベンチャー企業にとって、資金を提供してくれる投資家はとてもありがたい存在であり、一方、有望な企業にはどんどん投資を行いたいという投資家の方も多いかと思います。『エンジェル税制』は、そんな投資家、企業双方にとってメリットの大きい税制となっています。

事業を立ち上げたばかり、または起業をお考えの方にとっては興味深い税制になっているかと思います。今回は概要の説明となっていますで、詳しい適用要件等につきましては税理士等の専門家にお問い合わせください。


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