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融資の相談ってどこにすればいいの?

camera_alt (写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

企業を経営していく上で、事業資金の調達は大きなテーマの一つだろう。事業資金の調達と聞いて思い浮かべるのは融資ではないだろうか。ところが、一口に融資といっても、受けるためにはさまざまな方法がある。融資の相談について整理していこう。

融資と出資にはどのような違いがあるのか

事業資金を調達するには、大きく分ければ、融資と出資という方法がある。融資とは、借りた元本に利息を付けて返済するものである。借りた人には資金を返済する義務がある。貸した人には原則、経営に口を出す権利はなく、経営の自主性が確保できる。

出資とは、会社に対して資本金を出してもらうもの。株式会社であれば、出資金に対して株式を付与することで資金を調達することができる。出資したお金は基本的に返済不要だが、配当を求められることがある。また、経営権をその出資の割合分ほど売り渡すことに等しいため、出資した人は経営に対して口出しする権利がある。

融資の相談先にはどんなところがあるか

融資を受けたいと考えたとき、どこに相談に行くのがいいのだろうか。以下に、窓口ごとに説明していく。

・ 金融機関(銀行など)
事業会社に対する融資を主な収益源としているため、基本的にどの金融機関の支店にも融資専用窓口がある。しかし、最近は個人向け取引に特化した支店もあり、そこでは中小企業向け融資相談はできないこともあるため、事前に銀行のホームページなどを調べていただきたい。

金融機関の種類には、都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合などがあり、その金融機関の業態や規模によって相談体制は大きく異なる。金利はノンバンクなどと比較的して低く、自社の財務状況によっては、政府系金融機関で借りるよりも安くなる場合もある。

・ 日本政策金融公庫
政府系の金融機関であり、一般の金融機関が行う金融を補完している。国民生活事業(創業・小規模事業者向け資金、教育ローンなど)、中小企業事業(中小企業向け資金)、農林水産事業(農林水産業向け資金)に分かれており、中小企業が融資相談に行く場合には、7,200万円までの融資相談や創業資金であれば国民生活事業、それ以上の案件であれば中小企業事業に相談に行くのがいいだろう。同じ「日本政策金融公庫」の支店であっても、どの事業の窓口があるかは支店によって異なる。

・ ノンバンク
ノンバンクには個人向け融資を主体としているところと、事業会社向け融資を主体としているところに分かれるため、事業会社向け融資を主体としているところに申し込むことが必要となる。銀行に比べて審査は通りやすく、借入れまでの期間も短いが、金利は銀行と比較して高い傾向にある。

・ 行政窓口
各地の地方自治体が経営相談や創業相談などの形で相談窓口を設けている。相談員が相談に乗ってくれ、その自治体が行っている公的制度の情報提供も受けられる。専門家による指導を低額もしくは無料で受けられる場合もあり、利用の仕方次第では、メリットは多い。

・ その他
他にも、信用保証協会や商工会議所・商工会、民主商工会、各種業界団体、専門の士業の相談窓口、自社の顧問税理士などに相談する方法もある。

融資の相談をする際の注意点

融資相談をする場合には、どのようなことに注意する必要があるのか。いろいろなポイントはあるが、最低でも以下の3点には注意が必要である。

1. 相談に乗ってもらいやすい空気をつくる
融資相談をする場合には、初対面の相手と話すことが多い。そのため、自分の第一印象を含めて、どのように相談に乗ってもらいやすい空気をつくるかは、意外と大事なポイントである。服装や話し方などに注意することはもちろんのこと、名刺を用意していくことや、会社案内などで自社のことを短時間で理解してもらうことも必要である。知人からの紹介が受けられるなら、それも有効な手段である。

2. 事業計画
金融機関を説得するために一番重要となるのが、借りた資金を使っていつまでにどのくらいのリターンを上げるのかという事業計画だ。特に、十分な売上を確保できる根拠を「誰が(Who)、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)、誰に対して(Whom)、どのように(How)、いくら(How much)売るのか」といった観点から説得力の高い根拠を提示する必要がある。

3. 返済計画について具体的根拠を用意する
そして、返済する方法を具体的に説明できる根拠を用意していくことである。自社の状況や資金調達の内容に応じて、返済計画に必要な根拠とその資料は異なるが、数字できちんと説明できることが必須である。

以上のように、融資相談のポイントを整理し、事業に見合った融資先を検討してみてはいかがだろうか。

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