資金調達における投資ラウンドとは

0aaf64b9 937f 4164 a639 64a1edd8690a camera_alt Shutterstock_寄稿者 Portrait Image Asiaさん

はじめに

近年では、大学生の起業家などが登場しており、世に新しいサービスを広めたいという想いを胸に起業を考える方は増えています。実際に起業し、ビジネスとして軌道に乗せるためには、先立つもの(資金)が必要です。起業家たちが、革新的な新規事業に投資を行いたいという投資家から、資金調達を行うために、理解しておくべき投資(資金調達)のセオリーを確認しましょう。

投資(資金調達)ラウンドとは

企業が成長を目指すために、外部(投資家)から出資(投資)を行っていただき、資金を調達する方法があります。借入(負債)による調達は、返済を行わなければならないですが、出資であれば返済義務はなく、企業が新しい事業や資産に資金をすぐに投下することが可能となります。

ベンチャー企業などが、積極的に投資家からの出資を活用して、成長を目指すという形態は、最近では一般的になってきました。

投資家側が、成長が見込まれる企業へ段階(フェーズ)に応じて出資を行うことも一般的となり、投資ラウンドと呼ばれるようになりました。

投資ラウンドとは投資家が企業に対して投資をする段階を指す言葉です。

一方で、起業家やスタートアップ企業が投資家から投資を行っていただく(資金調達)する段階を、資金調達ラウンドと呼ぶ場合もあります。

元々は、IT企業の出資が活発なアメリカのシリコンバレーで、投資家が投資先の企業の状況を判断するために使われていた言葉ですが、近年では日本でも使われるようになってきました。

投資家が企業に投資をする場合、企業の成長段階(フェーズ)や目的に応じて投資を決定します。

起業前後で事業に投じる資金が必要だが、まだ収益が上がっていない段階や、一定の収益が上がり始めており今後飛躍的に成長が見込める段階など、大きく5つのステージに分類され、投資家は将来の投資の成果を見定めつつ、決定を行います。

資金調達を受ける側(企業側)は、投資家の目的を理解しつつ、現在、自分たちがどの段階(フェーズ)にいるのかを投資家に説明(アピール)して、企業の成長に必要な資金調達を行います。

投資(資金調達)ラウンドの5つのフェーズ

投資ラウンドは、一般的には次の5つのフェーズに分けて説明されます。

①シード

②アーリー

③シリーズA(エクスバンション)

④シリーズB(グロース)

⑤シリーズC(レイター)


①シード

投資ラウンドにおける最初のフェーズが「シード」となります。

ビジネスとしてスタートする前の段階であり、ビジネスモデルや商品の構想、起業家の人となりを見て、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルなどが投資を行う場合が多いフェーズです。事業をスタートするための法人設立費用や人件費等の最低限の資金調達であり、数百万円程度が一般的です。

ビジネスモデルの将来性や、起業家の過去の実績や、熱意などから、「投資をしてみたい」と思わせる魅力的なプレゼンテーションを行うことが出来ると、投資家からの投資が得られるでしょう。

②アーリー

起業直後のフェーズが「アーリー」となります。

事業を軌道に乗せるための時期であり、収益を上げるところまで至っていない場合もあり、赤字に陥っている企業が多くなります。調達した資金は、運転資金となる場合が多く、投資家にとっても判断が難しいフェーズです。

アーリーからの成長に対して、明確なビジョンと計画を示し、投資家に現状の説明をしっかりと行い、将来のメリットを感じてもらうことが大切です。

なお、国や自治体も新規事業を後押ししており、アーリー企業向けの助成金や補助金なども活用できるフェーズですので、条件を事前に確認し、併せて活用すべきと言えるでしょう。

③シリーズA(エクスバンション)

企業が事業の主力商品やサービスの提供を開始するフェーズが「シリーズA(エクスパンション)」となります。

これまでの計画を実行し、サービスの開始や、システムのローンチなどを迎え、利益を上げていくフェーズです。計画の実行性などを投資家に示すことが出来るようになるため、信頼を得て、投資を行っていただくことが出来ます。出資金額も数千万円から億単位の出資が見込めるフェーズです。

複数先からの出資が行われる場合があり、将来の株式時価総額、株価、発行株式数、投資家の持株比率等をどう決定するかなど、十分な検討が必要となります。

この時期に投資家の株式持株比率が高まると、その後の事業活動の意思決定にも投資家の影響が大きくなります。また、経営者の会社の支配権低下によるモチベーションに影響する可能性もあります。一度下がった持株比率は再び増加させることが難しいため、留意が必要です。

④シリーズB(グロース)

事業が軌道に乗り、一定の収益を上げているフェーズが「シリーズB(グロース)」となります。

更なる成長のために、商品・サービスの新規開発や人材獲得のための多額の資金が必要となります。投資家にとっても、既に収益を上げているため、積極的に投資を検討することができるフェーズです。

株式上場や、M&A(合併や買収)についても選択に入るため、今後の企業の方向性を見定め、事業だけではなく社内の管理体制の構築も行わなければならない段階です。

また、このフェーズでは、複数の金融機関から借入(負債)による調達を行うことも可能であり、資金調達の手段が広がるため、各株主の意向を踏まえた資金計画の実行が求められます。

⑤シリーズC(レイター)

安定した収益を出しているフェーズが「シリーズC(レイター)」となります。

全国展開を行う企業や、株式上場をしている企業も含まれ、名実ともに成長企業と位置づけられます。株式上場や、M&A(合併や買収)により、創業者や、これまで出資を行ってくれた投資家は、投資の回収(エグジット)についても視野に入れるため、今後は更に利益・売上の増大が求められるフェーズとなります。

更なる成長のために新規事業を開拓するのか、事業拡大にチャレンジするのか、大企業と資本提携を組むのかなど、経営陣は会社の方向性に応じた成長戦略・資金計画の策定が求められます。

おわりに

ベンチャー企業にとっては、成長スピードを上げるために、資金調達は重要な課題です。

綿密な事業計画と資本政策(資金調達計画)は適宜見直し、計画に則した事業を行うことで、投資家とより良い関係を築くことが出来れば、フェーズにあった資金調達がしやすくなり、短期間での企業の成長を叶えることができるでしょう。

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