【第3回 工藤崇のFP-Solution】​「リモートワーク」と特記されない時代が来るということ

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先進的な起業ならずとも、読者の多くが勤める会社で実際に起きていること。

社内会議まで残り10分。しかし、発表の一部を担当する社員がオフィスに戻ってこない。
出席者が疑問に思った瞬間、当人から「今日はリモートで参加します」という連絡が入る。今や、先駆的なテクノロジーの会社ではなくても、見かけるようになった風景です。

ところが「会議といえば会議室で、テーブルで向かい合って膝詰めで」という古い社員には余り納得できない表情が浮かぶ。
仕事の方法論とも、社会人における世代間ギャップとも評される「リモートワーク」。

近い将来、この言葉さえ耳にすることが無くなるかもしれません。
リモートワークは、会議の本質が「顔を合わせる」ことだからこその、リモートワークだからです。

1、働き方が変わっていくなかで経営者はどうあるべきか。

コーヒーのCMで、若手の仕事の仕方(および古い世代とのギャップ)がキャッチ―に取り上げられる時代です。
オフィス以外との連絡手段が電話やFAXに限定されていた時代ならば、会議を膝詰め以外で行うのは非効率そのものでした。

ところが今は異なります。
パソコンの画面からはリアルタイムでオフィス以外の場所と繋がり、3人以上で会議をすることや議事録を共有することを提供するサービスが次々と生まれました(例:アピアーイン https://appear.in/)。

リモートワークに限らず、日常業務が変わっていくにつれ、適用されるサービスには適される「理由」があるということです。
そのうち、会議はオフィスにいる人は会議室に移動して出席し、オフィス以外にいる人は会議のために戻ることなく、リモートワークのアイテムを使って社外から出席する。

そして、その動きが当たり前になり、「リモートワーク」と特記されない時代が来るでしょう。
経営者としては、これで自社も世の中の流行について言っていると安心することでしょう。難しいのは、そうなるまでの「過程」です。

2、新規サービスへの経営者のスタンスが「ダイバーシティ」を作る

リモートワークが浸透する時間軸のあいだには、賛成派も反対派も存在します。普段仲の良い社員間でも考え方が顕在化することでしょう。
経営者が「そのサービスは賛成だ(反対だ)」と前のめりに意見を述べると、情勢は一気に傾きます。
経営者は意思決定者なので、会社経営にとってはある意味健全な姿なのですが、社内には「社長(経営者)が方針を決めたので」という空気が広まってしまうことでしょう。

このような前例のない会社風土を作るときは、早い意思決定は危険です。
「何かあれば社長(経営者)の意見を聞けばいいんだ」「社長がなんというか分かってから旗色鮮明にすればいい」となってしまっては、いずれ自分たちの頭で考えて物事を決める習慣が無くなることに繋がります。

特に事業拡大期において、様々な価値観が考え方が適切に混ぜ合わさると、「ダイバーシティ」となって会社の文化を作ります。
会社が大きくなっていくときには、あらかじめ策定されていた経営陣発の文化より、こちらの自発的な動きが大切。社内における議論を徹底的に尽くして、最終的に経営者が決済をする、このようなスタンスが大切です。

このときの経営者には何よりも「胆力」が必要です。経営者の性格によっては、サービスが実験的に導入される段階で積極的に合否判断を出したがったり、逆に無関心を突き通してしまったりするケースがあるでしょう。
この中間的にあるようなバランス感覚が大切です。導入をプロジェクトとすると、プロジェクト責任者というような役割を置き、決定権限を移管するような思い切りの良さが大切です。過程の意思決定は知らず、最終的な決済の折に初めて結論を知る、くらいの距離感が適切かもしれません。

3、正社員だから「フルコミット」ではなくなる時代

これは会議だけではなく、雇用面についてもいえます。一昔前までは正社員がいて、パートやアルバイトが有期期間の定めにもとづいて会社組織を作る。
その流れにも変化が訪れています。

昨今の働き方改革はまさに顕著な例。
正社員だから責任があって、パートやアルバイト(スタートアップはここにインターンなども含みます)だから責任がない、という極端な話ではありません。
当然に副業への対応も必要になると、正社員だから「フルコミット」という前提は過去のものとなるでしょう。

経営者としては、新しいサービスや考え方への関心を強く持ちながら、自身の見解が会社としての見解に直結してしまわないように、権限移譲を進めて対応することが大切です。
自身はあまり肯定的ではなかったリモートワークも、導入期間が過ぎ「当たり前」になることで、自社におけるダイバーシティが確立され、思わぬ効果が経営者自身にも返ってくるかもしれません。

そのために、それまでには考えもつかなった「モノ」と向き合っていく習慣づけを進めていきましょう。


【プロフィール】
工藤 崇
FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップ経営者としてシードラウンドまでの資金調達完了済み。本社は東京都港区虎ノ門。

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