【インド】ルノー・日産と労働組合が暫定的合意に署名[車両](2021/06/04)
フランス自動車大手ルノーと日産自動車(ルノー・日産)と労働組合は1日、インド南部タミルナド州の工場について、取り決めた新型コロナウイルス対策を講じた上で、操業を数日間再開することで合意した。同工場では、新型コロナが流行する中での操業を巡り、労組が裁判所に訴えを起こしていた。
NNAが入手した合意書によると、従業員は6月2~5日に試験的に業務を再開する。その後の業務ついては、試験的な再開期間が終了後に会社側と労組側が協議する予定だ。
労組の幹部は匿名を条件にNNAの取材に応じ、「取り決めた新型コロナ対策が現場で機能しなかったり安全を満たすことができなかったりした場合は、まず会社と労組が協議する。会社が問題に対処する準備ができている場合は業務を続行し、そうでない場合は次の行動方針を決める」と話した。会社側は、効果の検証のために全ての工程で十分な数の従業員が業務に当たるよう求めている。
合意書によると、労組はロックダウン(都市封鎖)中に社会的距離を確保するために、組み立てラインと車体工程の労働力の削減を提案した。前述の労組の幹部によると、労働力の削減により生産能力は1時間当たり40台から30台に減少する。
同幹部によると、労組側は新型コロナに感染し亡くなった従業員の家族に500万ルピー(約750万円)の金銭的支援も求めている。ただこの点では会社側との合意に達していないようだ。
暫定的な合意は、マドラス高等裁判所の5月31日付の指示で、工場の調査を実施した州政府職員の立ち会いの下で署名された。