【ミャンマー】新型コロナで中止のODA事業、再開[建設](2020/07/16)
ミャンマー国内で日本政府が行う政府開発援助(ODA)事業が15日までに再び動き始めた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で中断していたが、先週末までに特別入国した民間企業の関係者が現場に戻ったためだ。
最大都市ヤンゴンの公立病院建設事業では、事業を担う大成建設の日本人駐在員4人が6月26日に特別入国し、14日に保健当局の事前査察を終えて現場の工事を再開した。当初は労働者約100人が作業に当たり、徐々に工事中断前の350人程度まで増やす。雇用規模は、ピーク時に1,000人体制に拡大する見通し。完成時期は当初、来年4月を予定していたが、12月までずれ込む可能性があるという。
現場に戻った石橋正洋プロジェクト・マネジャーによると、中断により雨期前に終えるはずだった工事が遅延を余儀なくされた。日本退避中は遠隔で指示を行いながら、現場のミャンマー人幹部が地盤からの排水作業などを進め、再開に備えていたという。
石橋マネジャーは「コロナ感染拡大への不安が募る中で現場の社員が頑張ってくれていた。良いものを作り上げ、経済発展に早く寄与したい」と話した。
ミャンマーは新型コロナの水際対策で国際線の着陸禁止措置を続ける一方、国内経済の停滞を最小限にとどめて雇用確保を図るため、自国民が帰国する救援便を活用した日本人駐在員の特別入国を限定的に認めた。
公立病院の建設事業のほか、東西経済回廊での橋りょう建設、ヤンゴン―マンダレー間の鉄道改修事業などに携わる民間企業の技術者らが第1弾の対象となり、出入国前後の隔離やPCR検査を義務付けられた。
日本人駐在員が搭乗する救援便は8月1日と6日にも運航し、約50人がミャンマーに帰任する見込みだ。