【マレーシア】プロジェクト管理研修開催、今年で10回目[建設](2019/11/14)
エンジニアリング協会(東京都港区、ENAA)は13日、マレーシアのクアラルンプールで、現地のエンジニアを対象とするプロジェクトマネジメントの基礎研修コースを開催した。14日までの2日間実施する。今年で10回目となる。
清水建設国際支店上席マネジャーの井上敏氏が講師を務め、プロジェクト管理のノウハウや専門的な知識を英語で講義する。井上氏は、1983~85年にマレーシアの国民車メーカー・プロトンの生産拠点(スランゴール州シャアラム)建設に携わったほか、国内外で数多くのプロジェクトを手掛けた経験を持つ。
初日はスケジュール管理、コスト管理、リスク管理などプロジェクトマネジャーに必要な基本手法を解説。2日目は応用編の講義のほか、参加者を複数グループに分けて、プロジェクト遂行事例を基にした討議や発表、演習の時間も設ける。
今年のコースには、日系大手建設会社、エンジニアリング会社、製造業など16社から、日本人やマレーシア人の技術者、マネジャーなど18人が参加した。
ENAAは例年、タイ・バンコクとインドネシア・ジャカルタでも同様のセミナーを例年開催しており、ジャカルタでは今月26~27日、バンコクでは来年1月16~17日に開催予定だ。
■新たな切り口での事業展開を
マレーシアでは、マハティール首相の再登板を受けて日系建設業界への発注増が期待されているが、近隣の新興国に比べて大型プロジェクトの件数が少ない。講師を務めた井上氏は「商社、エンジニアリング会社、不動産デベロッパーなど業種を超えた企業が協力し合う、新たな切り口でのプロジェクト提案が必要」と指摘。本セミナーを通じて産業人材育成に寄与したいと述べた。
清水建設はマレーシアで、西松建設などとの共同事業体(JV)によるパハン―スランゴール両州間の導水トンネル建設事業を2015年に完工。その後は、主に日系企業の工場建設を手掛けている。今後は、同社が独自に技術開発を進め、中東などで受注している油田排水処理といった新分野での受注に期待を寄せているという。