【インドネシア】藤田観光、首都郊外でサービスアパート開業[建設](2019/10/28)
藤田観光は11月1日、インドネシアの首都ジャカルタ郊外の工業団地地域、西ジャワ州ブカシ県チカランでサービスアパート「ISORAS(イソラス)チカラン」を開業する。同社にとってサービスアパート事業は海外で初めて。24日にメディア向け内覧会を実施し、日本の「当たり前」の実現にこだわった工夫の数々を紹介した。
ブランドコンセプトは「見上げる空は変わっても、いつもと同じ暮らし」。異国の慣れない環境でも日本と同じように安心してくつろげる空間を提供できるようこだわった。
アパートは7階建て214室。開発・設計・施工は清水建設が担当した。単身者、出張者、夫婦などを主要ターゲットにし、3タイプの部屋を用意した。全室キッチン付きで、電化製品のほとんどが日本製。卓球やカラオケを通じて利用者同士が交流できるファンクションルームや、露天風呂付きの大浴場も設備した。
このほか、各部屋の窓には網戸、玄関には框(かまち)を設置。大きな生活音が立たないよう、引き戸は衝突音が少ないソフトクローザー仕様に、椅子の脚は引きずる音が出ないつくりにするなど細やかな配慮を心掛けた。
客室は、スーペリアルーム(32平方メートル)が72室、バスタブや洗濯機付きのデラックスルーム(32平方メートル)が136室、リビングキッチンとベッドルームが分かれているエグゼクティブルーム(64平方メートル)が6室。月額料金は2,900万ルピア(約22万5,100円)からに設定した。短期出張者は1泊から利用できる。フロントには日本語のできるスタッフが24時間常駐する。
藤田観光の現地法人、藤田観光インドネシアの篠原正幸(しのはら・まさゆき)社長は「海外のサービスアパートの部屋は一般的に日本に比べてソファやベッドなど家具の位置が高いものが多い。イソラスでは、家具を低くすることで日本の部屋にいるような落ち着きを再現した。床に座ってくつろぐこともできる」と話した。
入居申し込みは順調で、内覧件数も1カ月当たり約70件に上る。当面長期利用者の獲得に力を入れ、年内に長期契約を全体の8割まで引き上げることを目標としている。
初のサービスアパート事業をインドネシアの首都郊外で始めた理由について、篠原社長は「日系企業の進出状況や国内総生産(GDP)の成長率などを考慮して決定した」と説明。「イソラス」ブランドの今後の展開については「イソラス・チカランの利用状況を見て検討する」と述べた。