【フィリピン】ニッケル産業の行程表、年内制定へ[鉄鋼](2020/01/08)
フィリピン・ニッケル産業協会(PNIA)のイシドロ・アルカンタラ会長は、ニッケル産業の発展に向けたロードマップ(行程表)を年内に制定するため、環境天然資源省と調整を進めていることを明らかにした。7日のトリビューン(電子版)などが伝えた。
行程表の策定は、ニッケル産業の発展を「国家投資優先計画」に組み入れる上で必要になるという。PNIAは技術作業グループを設置し、利害関係者の意見を集約する考え。作業グループには環境天然資源省、PNIA、フィリピン欧州商工会議所などの商工団体の代表などが加わる。
PNIAは投資優先ステータスを獲得することで、単にニッケル鉱石を輸出するのではなく、フィリピン国内で加工し、付加価値の創出を目指す。
2019年1~9月のフィリピンの金属生産量に占めるニッケルの割合は48%で、主に中国に輸出されている。ニッケル鉱山は経済発展が遅れたミンダナオ地域に集中している。
PNIAはニッケル鉱石を最終製品に加工する工場が設置されれば、200万人程度の雇用が創出されると試算している。現在の業界内の雇用数は120万人に上る。